冬に川に行って遊んでいると、周りの人からは「マゾなの?」と聞かれてしまうことが多い。確かに僕は自他共に認めるマゾ野郎ではあるが、別に苦行を楽しみに行っているわけではない。“適切な防寒装備”さえしていれば、冬の川は快適かつ貸切りパラダイスなのだ。

<これだけあれば寒さ知らず。冬の川の必須装備編>

 今回は岐阜県の清流・根尾東谷川(ねおひがしたにがわ)での川旅の模様を例にして、僕が冬にどんなことをしていたのかを解説していく。

■冬は探索と発見のチャンスである

 春秋は有名な川へ行き、夏は鮎釣り師がいない川に行くのが僕のスタイルだ。では「冬は?」と聞かれると、「地元の川を探索する期間」と位置付けている。冬の間に地元に近い良さげな川を調査しておけば、いざシーズンインした時に遊ぶことだけに集中できるからだ。だから長い距離を下る必要もないし、なんなら道から調査だけして、あとはひたすら地域散策と温泉三昧に費やすこともよくある。夏だと「もったいね〜。一日損した〜」ってなるところだが、冬だからダメージはゼロだ。登山帰りにちょっと調査、って流れもよくあるやり方だ。

 その中で見つけたのが、今回ご紹介する根尾東谷川。岐阜県中西部を流れる根尾川の支流で、僕が行き始めた当時は川下りの情報はほぼなかった。事前にGoogle衛星マップでアタリをつけておき、あとは現場でスタート&ゴール地点、危険箇所&エスケープ地点を確認して開拓したルート。正直、実際に川を下るより、リサーチの作業自体が楽しかったりする。

道路から。こんな清流見たら探索魂に火がついちゃう