寒い冬が明けた暖かな春は、絶好の行楽シーズンである。すこし足を延ばして遠方へ旅をするなら、電車やバスの他にクルマでの移動も選択肢のひとつに挙がるだろう。見知らぬ土地をドライブするのも旅の楽しみのひとつ。ちなみに筆者は関東に住んでいるが、ドライブ好きのため、京都くらいならマイカーで行ってしまう。

 遠方への長距離ドライブにおいて、どこで、どのように、どのくらい休むことが眠気解消やリフレッシュに効果的か……の明確な基準や線引きはなく、個人差も大きい。休憩や仮眠は安全運転のため重要だが、利用ルールも場所によって異なるため、周囲への配慮や遠慮から運転手が十分な休憩を取りにくいと感じる場面もある。

 本記事では、無理のない休憩を取ることや周囲への配慮を前提に、休憩場所の選び方と筆者なりの「マナーの線引き」についてお伝えしたい。観光やお出かけのハイシーズンに長距離ドライブを予定している方はぜひ本記事を読んで、ルールとマナーを守って休憩してほしい。

■長距離ドライブと休憩の重要性

「まだ全然余裕」なうちからこまめな休息を

 連続運転を2時間ほど行うとカーナビから「そろそろ休憩しませんか」といった音声案内があるのは、居眠り運転や疲労による注意散漫からくる事故を防ぐための安全機能のひとつといえる。長距離ドライブにおいては、目的地に早く着きたいという気持ちや高揚感から、休憩を後回しにしてしまうことも少なくはない。

 「交通事故を起こしたくて起こす人はいない」とよく言われるが、交通事故の8割は安全確認不足や脇見運転、漫然運転といったヒューマンエラーによるものだと言われている。長時間の運転中、たった数秒の気のゆるみによって事故は簡単に起こってしまう。

 予防には、事前の睡眠も重要であるが、仮眠や休憩を取って眠気や疲労を回復させることが肝要である。目がしょぼしょぼしたり、あくびが続くといった眠気や疲労の兆候があった場合は、早め早めの休憩を心がけてほしい。

 なお、人間は80分程度の連続運転で事故発生リスクが高まることがわかっている。時間ごとの休憩と決めず、眠気や疲労を感じる前にこまめな休憩をすることは安全なドライブの鉄則だ。休憩時間はロスではなく、運転時間に付随する絶対に必要な時間と考えよう。

■ドライブ休憩の主な選択肢

 では実際に、ドライブ中に休む場所の選択肢はどんなところがあるか、ピックアップしていく。

●サービスエリアやパーキングエリア

夜風を浴びつつ散歩するだけでもリフレッシュになる

 高速道路上であればサービスエリア(SA)とパーキングエリア(PA)がある。SAはガソリンスタンドやレストラン、売店など規模の大きなものを指し、基本的に50~60Kmごとに設置されている。一方、PAはトイレと自動販売機、最近ではコンビニなどを併設しているものを指し、設置されている間隔は15Kmが目安だ。

 場所によってはSAもPAもなかったり、ガソリンスタンドを併設していないSAもあるが、高速道路走行中に休憩するならばこの2つが主な選択肢になるだろう。高速道路上は駐停車禁止のため、真に緊急事態の場合以外は停車は推奨されない。そのため、SAもPAもない高速道路上での休憩の選択肢としては、一度出口から出て、一般道の休憩場所を探す必要がある。

 自分が休憩したいタイミングで休めるわけではないということを認識しておこう。早めに疲労の兆候を感じ取り、道中に掲示されている案内板をよく確認して休憩の計画を立てよう。

●道の駅

道の駅は夜間でもトイレが使用できる

 一般道に点在する道の駅も、休憩場所の選択肢のひとつになる。

 日中は地元の食料品やレストランで賑わうのだが、24時間トイレを使用できるようにしていることが多く、商業施設の閉館後や夜間でもトイレ休憩に立ち寄ることが可能だ。十分な駐車スペースを備えていることが多いのも利用しやすいポイントだ。

●コンビニの駐車場

 ロードサイドで最も目にする機会が多いのがコンビニで、飲み物の購入などのついでに休憩を取ることが可能だ。

 ただし、駐車場が狭い場合は他の利用者の邪魔をしてしまう可能性があるため、注意が必要だ。また住宅地が近い可能性もあるので、アイドリングストップは徹底しよう。

●国道沿いの休憩場所(公衆トイレ等)

道すがらに出てくる公衆トイレも休憩スポットの候補になる

 国道沿いに点在するトイレだけあるパーキングも休憩場所として有効だ。地図サイトで「公衆トイレ」と検索するとヒットすることがある。走行中に表示される看板を確認して適宜利用しよう。

●有料宿泊施設

 ハイウェイホテルやRVパークなど、長距離ドライバーの味方ともいえる有料宿泊施設も存在する。

 ハイウェイホテルは主に高速道路のSAやPA内に備えられたホテルであり、高速道路を降りることなく宿泊できるのが魅力だ。一般的なホテルや旅館と比べて部屋はコンパクトでリーズナブルな施設が多い。

 RVパークは「快適に安心して車中泊ができる場所」を提供する車中泊施設である。1泊あたり2,000〜4,000円台に料金を抑えた施設もあり、電源やトイレ、入浴施設がリーズナブルに利用できる。施設数は2025年11月時点で全国で588施設あり、最近では駐車場にRVパークを備えたコンビニも登場し注目を集めた。

 ハイウェイホテルは空きがあれば当日飛び込みの利用も可能だが、RVパークはそれぞれの施設ごとに対応が異なるため、事前に調べてから利用するのがいいだろう。