■ 多様な建築様式が融合した独特の街並み

 迷路のようなメラーノ旧市街に足を踏み入れると、そこには多種多様な地理的・歴史的文化を融合させた独特の建築が建ち並んでいる。中世から近代まで、南チロルとイタリア、オーストリア=ハンガリー帝国支配下にあったこの地には、実に様々な建築様式の建物が見られる。

 旧市街の中心に位置する「聖ニコラウス教会」は14~15世紀に建てられたゴシック様式の教会で、高くそびえる尖塔(83m)は街のランドマークとして広く知られている。教会内は色鮮やかなステンドグラスから柔らかな光が差し込み、静謐な空間が広がっていた。祭壇の彫刻やフレスコ画も見事で、長い歴史の中で多くの人々がここで祈りを捧げてきたことが伝わってくる。

建物の1階部分が柱廊(アーケード)となっている旧市街。雨風や夏の日差しも防いでくれる

メラーノのシンボル「聖ニコラウス教会」。ゴシック様式の尖塔は高さ83m

教会内部にも14〜15世紀の祭壇画やフレスコ画などが残っている