長野県の『HAKUBA VALLEY(ハクババレー)』は、3つの自治体に広がる日本有数の山岳リゾート。その北部、小谷村に位置する「白馬アルプスホテル」では、夜明け前にリフトで山頂に上がりご来光を眺める「Sunrise Lift(サンライズリフト)」を期間限定で運行。さらにリフトの上で朝食を味わう「Breakfast in the sky(ブレックファースト・イン・ザ・スカイ)」といったユニークなサービスも。この地の絶景を堪能できるユニークなサービスを、さっそく体験してきたので徹底レポートしていきたい。

■山頂で日の出の瞬間を迎える「Sunrise Lift」

日の出に合わせて夜明け前からリフトを乗り継ぎ、ひたすら山頂を目指す

 「白馬アルプスホテル」は、白馬乗鞍温泉スキー場が目の前に広がる宿泊施設。ホテルではオールシーズン、自然を満喫できるサービスやアクティビティを提供し、グリーンシーズンはゲレンデのリフトを利用して、山頂からご来光を眺める「Sunrise Lift」を期間限定で運行している。

 このご来光ツアーに参加した日は、日の出の時間が4時45分。夜明け前、まだあたりが暗い時間から山麓のリフトに乗り場に向かい、山頂を目指す。

前日が雨だったからか、山麓の白馬村には雲海が広がっていた

 2本のリフトを乗り継いで、18分間の空中散歩を楽しみながら山頂へ。標高約1,600mの山頂に繋がる「アルプス第11ペアリフト」は、通称「山ノ神リフト」とも呼ばれている山岳観光リフトだ。

 移動しているうちに、徐々にあたりが明るくなりはじめ、周囲の景色が見えるようになってくる。山の近さ、そして山麓の風景など、リフトからの眺めは絶景だ。

防寒着で体が冷えないように対策し、日の出を待つ

 山頂部は広場のような平らなスペースでベンチも置かれている。ここで日の出を待ちながら、周囲の山並みの景色を堪能。昼は日が差すと暑いぐらいで半袖が快適だが、朝の気温は19℃。リフトの上やご来光を待つ間は体が冷えるので、防寒着は欠かせない。

青の濃淡で折り重なった山並みを見みられる夜明け前の景色
待ちかねたご来光の瞬間がついに訪れた

 訪れた日は雨が降ったりやんだりする時期で、この日の降水確率は30%。昼過ぎまで天気はもつとの予報だったので、「きっときれいなご来光が見られるはず」と、期待をかける。

 東側には妙高エリアや戸隠連峰が広がり、その方向がだんだん朝焼けに染まってきた。山に少し雲がかかっていたため、ピカッと日差しが光線のように届くご来光ではなかったが、雲間からオレンジ色の太陽が見えるとやっぱり感動する。そして、雲がピンクやオレンジ、黄色へと変化していく様子も幻想的だった。

ゲレンデが目の前に広がる「白馬アルプスホテル」

■「Breakfast in the sky」で、絶景を眺めながらリフトで朝食

山麓からリフトに乗ってゲレンデ中腹へ。そこからアルプス第11ペアリフトに向かう

 「白馬アルプスホテル」に宿泊すると、リフトの上で朝食をいただく「Breakfast in the sky」というサービスを利用できる。宿泊プランの朝食を、ホテル内ではなく、リフトに乗って絶景とともに楽しむというサービスだ。

 朝、山麓からアルプス第5高速ペアリフトでゲレンデ中腹まで上がり、アルプス第11ペアリフトの乗り場に向かうと、スタッフから朝食のボックスを手渡される。そのとき、サービスについての簡単な説明もしてくれる。ドリンクはホットコーヒーや紅茶、アップルジュースが選択可能だ。

ゲレンデ中腹部からの眺め。グリーンシーズンのゲレンデは緑にあふれて爽やかだ
アルプス第11ペアリフトに乗りながらブレックファーストをいただく

 アルプス第11ペアリフト乗り場では、「リフトの乗って少し上がった先の平らなところで北アルプスが見えます」などと、ビューポイントについても教えてくれる。「さらに先では、空気が澄んでいると右手の稜線の向こうに日本海が見えることもありますよ」というから、リフトの乗る前からわくわくしてしまう。

 ほかにも、その時期に咲いている花などの情報も教えてくれるので、リフトで朝食をとりながら、あちこちに視線を向けて景色を楽しめる。

彩りのよい料理が詰まった朝食ボックス。ドリンクとともにいただきます!

 「どうやってリフトで食事を食べるのかな?」と思っていたら、リフトのセーフティバーに木製のトレーを取り付けて、そこで食べるというものだった。スタッフがトレーの上に朝食のボックスとドリンクを置いてくれるので安心だ。

 朝食のボックスには、クロワッサンサンド、ラタトゥイユやサラダの副菜、フルーツのデザートが彩りよく詰まっている。

絶景が広がるリフトの上で朝食を食べる、まさに“非日常”を体験

 リフトは毎秒1.3mというゆっくりのスピードで、約18分かけて山頂へと向かう。北アルプスの絶景、ブナやダケカンバの原生林、森から聞こえてくるウグイスやホトトギスの鳴き声、そしてリフトの上で感じる爽やかな風。そんな空間で味わう朝食は格別のおいしさだ。

 リフト降り場に着くまでに食べきれなくても、山頂にはベンチがあるからそこでのんびり食べてもいい。山頂は森に囲まれているが、山並みや、木々の間から日本海などの景色を見ることができる。

空飛ぶレストラン「Breakfast in the sky」

■山麓の牧場では羊のエサやり体験も

「白馬乗鞍ゲレンデ牧場」ではかわいらしい羊たちがお出迎え

 ゲレンデの山麓には「白馬乗鞍ゲレンデ牧場」がオープンしている。広々とした草原にジャージー牛や羊が放牧されており、草を食べたり昼寝をしたり、のんびり過ごす姿に癒される。牧場で羊へのエサやり体験ができ、毛は白いのに顔が真っ黒な羊たちと触れ合える。

 エサを手にしゃがんで待っていると、羊たちのほうから駆け寄ってきてくれる。すばしっこくてエサやりする人たちをあちこちめぐる要領がいい羊や、駆けるのが遅くて食べ損ねる羊がいて、それぞれに個性があって愛らしい。

人懐っこい羊たちとの触れ合いに癒される
動物たちに癒される「白馬乗鞍ゲレンデ牧場」
「白馬アルプスホテル」は、隣接するゲレンデで自然や動物と触れ合える環境

 「白馬アルプスホテル」は、隣接するゲレンデの最も高い場所に架かるアルプス第11ペアリフトの山頂で、ご来光やブレックファーストを楽しめ、さらにゲレンデ山麓の牧場で動物と触れ合うなど、さまざまな体験できるリゾート。ホテルステイとともに、ここならではの自然と体験を満喫してみよう。

 なお、「Breakfast in the sky」、「Sunrise Lift」はともに、宿泊者及び外来のお客様でも事前予約にて申込を受け付けている。

「Breakfast in the sky」、「Sunrise Lift」について、詳しくは 白馬アルプスホテルHPまで!