今年は例年以上に山の雪解けが早い。それに伴って、山の上で咲き乱れる高山植物の花々もすでに見頃を迎えつつある。そんな高山植物を山に登って見る魅力とは。

■高山植物の花は、山に登って見るからこそ価値がある

山の上で登山者を待つエゾノツガザクラ(2024年6月30日撮影)

 高山植物は、山の上の過酷な気象条件のなかでたくましく生きる植物。それ故に、低地で育つ植物とは異なる品種だ。高い山では冬から春にかけて長い間雪に覆われ、その下でじっと春の訪れを待つ。そして、雪解けが進むと短い夏を待ちわびたように、色とりどりの花々が一気に咲き乱れる。特に高所に咲く花は短い夏に確実に虫に見つけてもらい受粉をするために、特に鮮やかな花を咲かせるものが多いのも特徴だろう。

 山に登るからこそ見ることができる、天上の花々の世界。それが、高山植物の大きな魅力だ。

■登山の疲れを癒やしてくれる花々

北海道大雪山黒岳周辺の登山道に咲く花々(2023年7月8日撮影)

 キツい登山道を登ったあとに待っているきれいな花々は、登山の楽しみのひとつだ。時には足を止め、ゆっくり花々を眺めながら山の上のひとときを過ごす。感動するような大群落も良いが、ひっそりとたたずむ可憐な花も美しい。色々な花を探しながら歩いて行けば、山頂までの道のりも楽しいものになる。