●「天狗の留まり場」を経て、「肩の小屋」へ
今回は天神平からの徒歩コースを紹介する。最初の休憩ポイントである1.6km先の熊穴沢避難小屋を目指し、朝日を浴びて輝く緑の中、整備された木道を進む。45分ほどなだらかな傾斜の道を進むと、赤く塗られた小屋が見えてくる。熊穴沢避難小屋だ。
小屋の中ではベンチで休憩できる。避難小屋から先は少しだけ傾斜がきつくなるので、休息をとっておこう。
ここから肩の小屋までは1時間30分ほどで、ちょうど中間辺りに「天狗の留まり場(とまりば)」と呼ばれる見晴らしのよい岩場があるので立ち寄ろう。岩場周辺では黄色いハナニガナや白くて可愛いゴゼンタチバナの群生も見ることができる。
美しい稜線の景色を楽しみながら歩いていると見えてくるのは、赤い屋根の「肩の小屋」だ。2024年は5月1日~11月3日まで営業しており、食事・宿泊もできる頼りになる存在だ。小屋の前には、どこまでも続くような谷川連峰の美しい山々の景色が広がり、登山者たちを楽しませてくれる。
●双耳峰・オキノ耳とトマノ耳を結ぶ美しい稜線歩き
肩の小屋まで来たら、山頂は目前だ。双耳峰と呼ばれる2つの山頂と、それらを結ぶ稜線を歩く、谷川岳登山のハイライトだ。
手前の山頂、オキノ耳まで約10分、背の低い笹の間を縫うように岩肌の稜線を進む。顔を上げれば雄大な谷川連峰や雪渓が見られ、つい足元への注意が疎かにりそうだが、岩の凹凸につまずく恐れがあるので、注意しよう。
オキノ耳山頂はあまり広くなく、記念撮影の渋滞ができていることもある。混んでいるようなら、先のトマノ耳まで進んでから休憩するといいだろう。
双耳峰を結ぶ稜線は、雪渓あり、夏の花々の群生あり、もちろん周囲の山々の絶景もありと、見どころたくさんの景色が広がっている。一歩一歩踏みしめながら、景色を堪能しよう。
■谷川岳(たにがわだけ・標高1,977m)に咲く夏の花
夏の谷川岳は、アクセスもよく、ロープウェイとリフトを利用することで、自身の体力に合った登山コースを選択できる。もちろん、リフト山頂駅の展望台からの景色を目的に訪れるのも大いにアリだ。
最後に、この夏も我々登山者を楽しませてくれるだろう花々を少しだけ紹介する。秋の紅葉シーズンも高い人気を誇る谷川岳だが、涼しい夏山で、可憐に咲く花々と絶景を楽しんではいかがだろうか。
●【MAP】JR上越線土合駅
●施設名 谷川岳ロープウェイ by星野リゾート
・住所 〒379-1728 群馬県利根郡みなかみ町湯檜曽湯吹山国有林
・電話 0278-72-3575
・URL https://www.tanigawadake-rw.com/
※営業日時はホームページよりご確認ください