気温も下がり、本格的な紅葉シーズン。大分県の九重連山は毎年、紅葉を求めて多くの登山者で賑わう。

 今回は九重連山の中でも紅葉で有名な大船山(たいせんざん)の2023年10月14日時点での色づき具合を確認してきた。

 また、今回宿泊した法華院温泉山荘のキャンプ場と秘湯「山の上温泉」、以前宿泊した「坊ガツル」のテント場も紹介しているので、これから紅葉狩りに出かける方の参考になれば幸いだ。

■九重連山とはどんな場所?

九重連山で人気の大船山(撮影:川内 勇貴)

 九州で「登山での紅葉狩りといえば九重連山」と言われるほど人気で、昨年は大船山の山頂付近で行列ができた。なぜ、それほどに人気なのか。

●九州で人気の山が連なった九重連山

 大分県にある九重連山は、百名山の久住山(くじゅうさん)を主峰として、九州本島の最高峰中岳や、今回レポートする大船山など、人気の山がいくつも連なる山岳地帯の総称だ。

 地図で見ると九重連山のちょうど真ん中に、「坊ガツル」という広大な湿地帯が広がり、水場やトイレをs備えたキャンプ場がある。

 また、坊ガツルから10分ほど歩いた法華院温泉山荘には、秘湯「山の上温泉」があり、疲れた体を癒してくれる。

●大船山はどんな山?

 大船山は標高1,786mで、山頂のすぐ下に御池(おいけ)があり、例年10月中旬になると御池を囲むように広がる美しい紅葉を一目見ようと、多くの登山者が集まる。

 その美しい山容や、山頂からの景色は、九重連山の主峰「久住山(くじゅうさん)」に匹敵するほどの人気だ。

 10月の平均気温は約12℃と、東京の12月の平均気温。しかも、著者の登山当日には山頂付近で風が強くなり、ダウンを着て丁度よい気温であったため、登る際の服装には気を付けたい。

住所:〒878-0202 大分県竹田市久住町大字有氏

■紅葉はどのくらい進んでいるのか?

 紅葉の見ごろは例年であれば、10月下旬から、11月上旬にかけてピークになるが、今年はやや早いように感じる。

●登山口付近も紅葉が進んできている

登山開始から30分ほどで、沓掛山(くつかけやま)に到着紅葉が見えはじめる(撮影:川内 勇貴)
登山開始から1時間ほどでも、紅葉はかなり進んでいるように見える(撮影:川内 勇貴)

 九重連山にはいくつもの登山口があるが、今回はもっとも初心者向けとされる牧ノ戸登山口から登山を開始。今年は例年よりやや進んでいるようで、標高1,320mの登山口付近にも紅く染まった木々が散見される。

 登山口から30分ほど登った沓掛山(くつかけやま・1,503m)からも全体が紅葉している姿が見られる。体力に自信がない方は、ここまででも十分に楽しめるだろう。

●全体のとして7割ほど染まっている大船山の紅葉

大船山山頂からの絶景(撮影:川内 勇貴)
美しい大船山の山容(撮影:川内 勇貴)

 筆者は2022年も、大船山に登っている。昨年は仲間内では「当たり年」であったと評判で、今年もそれに引けをとらないほど美しい。少し寒くなったせいか、他の登山者からも予想より早いという声が聞こえた。

 2年前はピークになりきる前に散ってしまったそうだが、2023年はまだ緑の木々も多く見られ、10月下旬から本格的に色づき始める雰囲気で、今年はかなり期待できそうだ。