近年、ゆっくりじっくりと浸透しつつあるキャンプスタイル「ブッシュクラフト」。

 普段は東京の音楽芸能エージェントのマネージャーとして全国を飛び回っている、女性ブッシュクラフター・未央さんの活動を通して、その実態に迫ってみましょう。

■「ブッシュクラフト」って、私が子どもの頃にやっていたのと同じだ 

森の中に来ると気持ちが落ち着き、顔もほころぶ

 北海道様似町出身の未央さんは、子どもの頃はいつも直ぐそこに大自然があり、その中で遊び回っていたそうだ。ガールスカウトにも参加し、自然の中でのいろいろな経験をして育った。

必要な道具はザックに詰めて持っていく。フェールラーベンのコットンのザックを愛用している

 地元の学校を卒業した後に東京に出て、昔から大好きだったという音楽業界で働き始め、それから十年ほど多忙な日々を送った。その間は、自然の中で遊ぶ感覚を完全に忘れて仕事に没頭していた。アーティストのマネージャーとして、国内だけでなく世界中を飛び回り、音楽制作やプロモーションに携わった。

使う道具たちは自然の中に馴染む、アースカラーのものが多い

 しかし、その頃ふと「また自然の中で遊びたいな」と思ったそうだ。そして、友達と一緒にオートキャンプに行くようになったのだが、何度か行くと物足りなさを感じた。きっと再び自然の中で遊ぶうちに、彼女の中でフツフツと忘れていたものが思い起こされたのだろう。

女性らしく、小さなコットン製のポーチの中にコスメ用具をまとめて入れている

 その頃、前から気になっていた「ブッシュクラフト」という言葉を調べてみた。ネット上にはいろいろな情報が上がっていた。そこからYoutubeの動画で調べ、SNSでも画像を漁った。その結果、「あれ?  これって私が子どもの頃にやっていたのと同じだ!」と思ったそうだ。

 そうして、これは! と思う人にDMでコンタクトを取り、上級者とつながっていったという。気が付くと、ブッシュクラフトのスタイルにどっぷりとハマっていった。