石見銀山世界遺産センター(撮影:菅沼とわこ)

 第168回直木賞受賞作品『しろがねの葉』(千早茜/著 新潮社)。この作品の舞台となったのが2007年、銀鉱山としてアジアで初めて世界遺産登録された「石見銀山」だ。

 作品冒頭から登場する「間歩(まぶ)」とは、鉱夫たちが銀鉱石の採掘のため、タガネを使って岩石を砕きながら作った坑道のことで、その大きさや長さはさまざま。

 『しろがねの葉』を読んだ人も、これからの人も、実際に石見銀山で間歩に足を踏み入れれば、より作品の世界観に浸れること間違いなしだ。

 今回は、『しろがねの葉』を読破した筆者が3月から11月の間、期間限定で開催されている「大久保間歩」のガイドツアーに参加した後、石見銀山の足を運ぶべきポイントを紹介する。

■予約制の大久保間歩のガイドツアー

 約1000あるといわれている間歩の中で、最大級の規模を誇る「大久保間歩」の見学にはガイドツアーへの参加が必須(大人 3700円/人、小中学生 2700円/人)。予約で埋まってしまう可能性があるため、当日申し込みではなく、事前予約がおすすめだ。

 なお、ガイドツアーでは入坑の際、カバンなどの荷物は持ち込めないほか、高低差90mほどの山道を歩くため、動きやすい格好で参加しよう。

大久保間歩までの山道(撮影:菅沼とわこ)