● ③昼間に赤潮が観測されたとき

 赤潮とは海中のプランクトンが異常増殖し、海の色が赤褐色や茶褐色などになること。赤潮のプランクトンの中には夜光虫も含まれており、赤潮が発生した日の夜は、夜光虫に高確率で遭遇できる。

 各自治体の水質環境についてのHPやSNSに赤潮の発生情報が掲載されているので、こまめにチェックするとよいだろう。なお、筆者が観測した日の昼間も、海では赤潮が発生していた。

● ④風向きからどの海岸に溜まっているか予測する

 海面付近に生息している夜光虫は小さく、風に流されやすい。よって、海から陸に向かって風が吹いているとき、夜光虫は海岸付近に溜まり観察しやすい。

 観測した日も弱い東風が吹いており、東向きに開いている海岸に夜光虫が溜まっていると予測し観察場所を特定した。

● ⑤波がおだやかな海岸で発見されやすい

 波が高い海岸では、海水面に集まった夜光虫がちらばってしまい観察しづらくなる。観測場所の海岸も普段から波が立ちにくくおだやかな場所だった。

静岡県静岡市の「三保真崎海水浴場」の昼間の様子(撮影:新井夏海)

● ⑥周辺に明かりが少ない海が観察しやすい

 周辺に街灯があると夜光虫が発光していても観測しづらい。できるだけ周囲が暗い海岸を選ぼう。

 観測した場所の対岸は工場夜景がきれいなところで、比較的明るかった。都会の海での観測例も毎年あり、この条件はあまり重要視する必要はないだろう。

対岸は明るかったがしっかり観測できた(撮影:新井夏海)

■夜光虫を見にいこう

 観測条件がそろえばどこの海岸でも見られるが、神奈川県の鎌倉、愛知県の三河湾、鳥取や島根の海辺は、先程述べた条件がそろいやすく、人の目に触れる機会が多いことからか、特によく報告されている。

 気をつけてほしいのが、夜光虫はプランクトンであり、それが大発生することから周辺がいわゆる海っぽい、独特の匂いで充満する。また、夜の海は危険も多い。暗闇の中、波に足元が取られないようにするなど、くれぐれも気をつけてほしい。

 海と生物が織りなす光のショー。皆さんも圧巻の光景に遭遇できますように。