コロナ感染対策も変革期を迎え、数年ぶりの海外旅行を計画中の方も多いのでは。とくに、アメリカ、カナダ、オーストラリアへの旅行、またはこの三ヵ国を経由する国への旅行を考えている方にとって必要不可欠なのが、「電子渡航認証」だ。

 入国・通過する者に対し、ウェブサイトでの電子申請を義務付けており、入国の適格性を審査する制度でもある「電子渡航認証」。

 近年、公式サイトに類似した代行サイトが横行しており、あるサイト経由で手続きをしてしまうと、手数料として約9000円かかってしまう。公式サイトであれば、21ドル(約2800円、1ドル=133円換算)で済むので、数倍もの料金が請求されるというわけだ。

 海外在住の筆者だが、帰国の際はカナダやアメリカ経由が多いため、「電子渡航認証」が必要不可欠だ。ただでさえ出費が多いなか、公式価格の数倍の料金を請求されるのは避けたいところ。

 また、申請代行サイトは、海外の事業者である場合も多い。「申請手続き後のキャンセルには応じない」といった文言が利用規約に記載されている場合、解約・返金の交渉は困難になる。

 「電子渡航認証」の代行サイトが、数年前から度々話題になっていたことは知っていたが、つい最近、SNS上で「ESTA(アメリカの電子渡航認証)申請の際に、公式サイトと間違えて、代行サイトを使ってしまった」という投稿が大きな話題になっていたのを見かけ、数年前より被害が増えつつあるのを実感した。

 また、代行サイトは「ESTA」だけでなく、「eTA(カナダの電子渡航認証)」「ETA(オーストラリアの電子渡航認証)」の場合もある。

 今回は、「代行サイトとは知らずに利用したくない!」「数倍の料金と個人情報を海外業者にとられたくない!」とお考えの方に「代行サイトの現状・対策」と「騙された際の返金手続き」の方法を解説していく。

■とてもわかりづらい! 公式サイトと代行サイトの違い

海外旅行に欠かせない電子渡航認証(公式サイト)(撮影:ソラ)

 代行サイトは、デザインから申請手順まで、公式サイトと見分けがつかないほど似ている。そのため、「申請をしたことがある」「慣れている」と思っている方ほど、被害を受けやすい。

 ネットで「ESTA」「eTA」「ETA」と検索すると、実は代行サイトが上位に表示される。そのため、代行サイトだと知らないまま、サイトを開いてしまう方が多いのも事実。最悪の場合、承諾メールの決済額を見るまで気づかない場合もあるようだ。