硫黄岳は南八ヶ岳の最北端に位置しています。火山のなごりの巨大な火口壁を北面に残しています。山頂部からの眺望は素晴らしく、硫黄岳と連なる横岳、赤岳、阿弥陀岳、北八ヶ岳と、遠望に中央、北アルプス、浅間山など360度の景色が楽しめます。

 登山ルートも豊富で迷ってしまいますが、今回は美濃戸口から赤岳鉱泉を通って硫黄岳へ登ってきました。まだ暗い早朝からスタートし、日の出が見られたら嬉しいなと思っていました(※日々、雪の量や質、気温など状況は変わります)。その都度、注意と判断をしていただきたいです。

■気温の低さに驚く

稜線に近づくにつれて硫黄岳山頂が輝きはじめました

 毎週のように登山をしていますが、美濃戸山荘駐車場に朝4時に到着すると、温度計は−12度を示しており、今年一番気温の低いスタートとなりました。八ヶ岳は内陸性の気候特性で、乾燥していて積雪は多くないものの気温は極めて低いです。

 「さすが八ヶ岳」と思いながら低体温症のリスクなどを考慮して防寒対策など入念に装備を背負っていきます。今回はグレードの高いハードシェル、ダウンジャケット、バラクラバ、ホッカイロ、厳冬期用グローブを使いました。いつも着用している装備と相違ないのですが、あまりの寒さに多少緊張しました。歩いていると寒さは気になりませんが、樹林帯でも休憩しているとすぐ冷えてしまうほどの低温でした。

■待ちに待った日の出の瞬間

日の出を光芒でパキッと撮影

 赤岳鉱泉からは登山道も斜度がきつくなり、黙々と登ってきましたが、樹林帯の合間からもピンクに染まる空が見えました。密集した樹林帯から次第に樹々も一本一本が雪の塊で大きくなり、「スノーモンスター」のようでした。

 赤岩ノ頭で日の出を見ることにしました。目の前に横岳の稜線があるので、日の出時刻よりだいぶ遅れて(12月27日7時40分)太陽が顔を出しました! 神々しい瞬間ですね。

 稜線は風もあり、体感温度はさらに低くなります。素晴らしい景色を見るために、見えない苦労もありますが、待ちに待った最高の瞬間です。