■山門では「善光寺」の額をチェック

山門に掲げられた「善光寺」の額をじっくり眺めて鳩を探してみよう

 さらに進むと山門があるのだが、掲げられている額の「善光寺」の文字には5羽の鳩が隠されている。4羽はすぐわかるが、残りの1羽が意外と見つけにくい。また、「善」の字が牛の顔にも見えるともいわれている。

 これは、その昔、信仰のない老婆が布を干していたところ、牛が角に布を引っかけて走っていってしまい、その後を追いかけていくと善光寺に着き、信仰に目覚めたという「牛に引かれて善光寺参り」という故事にちなんだもの。

 こういった話も幼少期の校外学習でたくさん聞いたので、思い出と照らし合わせながら歩くのが楽しいのだ。もちろんはじめて訪れる人でも、参道めぐりは見どころ満載で楽しい体験になるだろう。

■御開帳のシンボル「回向柱」

回向柱に結ばれた布が本堂にのび、そのまま前立本尊の手につながっている

 善光寺前立本尊御開帳のシンボルといえば回向柱(えこうばしら)だ。回向柱とは角塔婆のことで、御開帳の期間は本堂の前にこの太く大きな柱が立てられる。前立本尊の指に結ばれた糸が回向柱につながっているため、回向柱に触れると前立本尊に触れたのと同じ御利益があるとされている。

 なお、2022年は回向柱に抗菌作用のある光触媒コーティングが施され、密集を避けるため触れる面を限定するなどの対策を講じている。また、御開帳のときは授与品所で「回向柱お守り」や回向柱のストラップなどを入手できる。

■利益満載の境内をめぐる

 本堂は国宝に指定されており、内部は外陣、内陣、内々陣に分かれ、最奥の瑠璃壇(るりだん)に御本尊が祀られている。瑠璃壇は普段、戸張が垂れ下げられて見ることができないが、御開帳のときは戸張があげられ、その奥の厨子の扉が開放されて、前立本尊の姿を拝観することができる。畳敷きの内陣まで入ると、より近いところからお参りが可能だ。

 以前、内陣から拝観した際は、その日が御開帳の最終日だったため、厨子の扉が閉じられ戸張が再び下げられるところまで手を合わせて見守った。大勢の僧侶がお経をあげ、荘厳な雰囲気のなか御開帳が締めくくられる体験は感動もので、訪れたかいがあったと心が洗われた。

 また、善光寺は本堂の下を通る「お戒壇巡り」の体験も有名だ。階段を降りて迷路のような真っ暗な通路を進むと出口近くに「極楽の錠前」があり、そこがちょうど御本尊が安置されている瑠璃壇の下だという。錠前は御本尊と結ばれており、触れることでご縁が結べ、極楽浄土への往生が約束されるといわれる。

 2022年の御開帳は4月から行われているが、今回も時間を見つけて参拝に出かけたいと思っている。そして、回向柱に触れ、お戒壇巡りで錠前に触れ、前立本尊と御本尊とご縁を結びたい。