キャンプの醍醐味である焚き火。しかし、用意した太い薪にいきなり着火するのは難しい。

 薪は細ければ細いほど燃えやすくなるので、まず最初に細い薪に火をつけ、だんだんとくべる薪を太くしていくと、スムーズに火を大きくすることができる。

 最初に燃やすための細い薪のことを「焚き付け」という。しっかりと乾いた焚き付けが十分にあれば、火起こしはきっとうまくいく。うっかり火を小さくしすぎてしまったときにもまずは「焚き付け」をくべたい。焚き火用に用意した薪からサクッと作ることができれば、必要なときに必要な量の「焚き付け」を手に入れることができるため、火をうまく扱うことができる。焚き火時間がもっと楽しくなること間違いなしだ。

 そこで今回は、暖房は薪ストーブのみという自宅で年間を通して薪仕事をしている筆者が、火起こしに必須の焚き付け作りに便利なアイテムを紹介したい。

■堅い薪もお任せの「斧」、コントロールしやすい「ナタ」

斧を使った薪割り

 薪割りと言えば、まず最初に思い浮かぶのが「斧」「ナタ」ではないだろうか。斧やナタの刃を当てた薪を持ち上げてトントンと薪割り台に叩きつけ、薪に刃を食い込ませて割っていく。ナタは包丁のような形状でコントロールしやすいのが利点だが、斧に比べると刃が薄く軽いため硬い広葉樹などを割るには力が必要だ。

 また、ナタは両刃のものを選ぼう。片刃だと斜めに割れていってしまう。斧は刃がぶ厚く重量があり硬い薪でも割りやすい。斧にはさまざまな大きさがあるが、焚き付け作りには取り回しのよい手斧が向いている。