ナイフをはじめ、さまざまな機能が1本に詰め込まれているギア・マルチツール。「便利そう!」と興味はあるだろうけれど、価格はピンきりだし、機能が盛りだくさんでも使いこなせるかわからない、と購入を躊躇されている方も多いのではないでしょうか?

 今回は、ギア好きの私なりのマルチツールの選び方のポイントをお教えします。

■<選び方のポイント1>「使う場面を想像できるか」

私の愛用マルチツール。▲登山用(左)、写真撮影時用(中)、自宅用(右)

 マルチツールに限らず、道具を選ぶ基本は使う場面を想像できるか。なんとなく「便利そう」くらいしか思い浮かばない道具は出番が少なく、ただの荷物になって使わなくなることが多いです。

 登山で考えると、ペンチ(プライヤー)を使う場面はファスナー故障や修理で針金を曲げるくらい。最近のファスナーは壊れにくいですし、修理もダクトテープで済んでしまうことも多いので、登山ではペンチの出番は限られます。キャンプでは古い焚き火道具やキャンプ道具の歪みを修正したり、鍋の取っ手の補助用として大きなペンチがあるとなにかと便利です。しかし、最新道具にはまず使いません。

 私の場合ですが、登山の場合は非常時用のとても小さなペンチ付きを選び、写真撮影時にはなにかと役に立つ大きなマルチツールを持っていきます。家では小さなナイフが身近にあると便利なのと、瓶ビール派なので栓抜き機能、キーホルダーを組み合わせる時に小さなリーマーもよく使うので、それらが1つにまとまったツールを使っています。

 ギアの不調を見つけた時に、さっといろいろな機能を出して直せるのがマルチツールの魅力ですが、工作をしない方にはあまり必要がない道具なのは確かです。