■ツナ缶がろうそくになる

電気やスマートフォンが使えない場合、ツナ缶がろうそくの代わりになる。小さな光だが、まったく明かりがないよりは安心だ。また、ろうそくとして使用した後も普通に食べることができるのもよい点である。筆者が実際にろうそくとして使用したあとにツナを食べてみたところ、若干燻製のような香りはしたが味は変わらなかった。缶詰製品は非常食としても役立つため、停電時に備えて用意しておくとよいだろう。
●用意するもの

ツナ缶(油漬け)
缶切り(穴を開けるもの)
コーヒーフィルター(綿ロープ)
ライター
コーヒーフィルターやロープがない場合は、ティッシュペーパーでも代用可能。またツナ缶に穴を開けられるものなら、アイスピックやペグ、釘などでもよい。
●作り方

まず、缶切りの尖ったところを使ってツナ缶の中央部分に穴を開ける。缶の上下どちらでもOK。手を傷つけないように、手袋や軍手をしておくと安心だろう。

コーヒーフィルターを4分の1ほど切り取り、こよりをつくる。こよりが穴より細いと穴の中に入り込んでしまうので少し太めにつくり、ギュッギュッと押し込もう。こよりは自立するので、この後火もつけやすい。
コーヒーフィルターで作ったこよりをツナ缶に詰めたら1〜2分程度待つ。こよりの色が変わってきたら油が染み込んだ合図。いよいよライターで火をつけよう。

ツナ缶の油量にもよるが、1時間程度火は燃え続けるはずだ。キャンプなどのアウトドアシーンでも「ランタンを忘れた!」「燃料が切れた!」といったいざというときにも使える知識なので覚えておこう。
■冷凍庫のものを冷蔵庫に移す
停電が長引くと冷蔵庫の中の食材が傷む可能性があり、特に気温が高い時期には注意が必要になる。冷蔵庫の保冷力を保つために、生ものなど傷みやすい食品は冷凍庫に移すのが得策。冷凍庫は冷蔵庫よりも温度が低く、停電後も庫内の温度がゆっくり上がるため、生鮮食品や乳製品など傷みやすいものを優先的に移そう。
飲み物や常温で保存できるものは外に出してスペースを確保し、保冷剤や冷凍食品を隙間に詰めると冷気を保ちやすい。また冷凍庫に入り切らない場合は、保冷剤を冷蔵庫に移すと冷蔵庫の保冷力を長持ちさせることができる。冷凍庫のスペースに余裕があるなら、日頃から保冷剤を入れておくと安心だ。
冷蔵庫は扉を開けている時間が長いほど保冷力を失うため、扉の開閉をできるだけ少なく、短くして保冷力を落とさないように心がけよう。
■停電時に知っておくと安心

近年、台風や線状降水帯、震災による被害が増え、ライフラインが寸断されるケースが増加しており、停電はいつ起こってもおかしくない状況といえる。こうした事態に備え、予備知識を持ち、必要なものを用意しておくことで、もしもの時にも焦らずに対応できる。
今回紹介したことを覚えておき、普段から懐中電灯やツナ缶、ペットボトルなどを非常用として準備しておくと安心だ。ぜひ、この記事を参考に家庭でも対策を進めてみてほしい。