ますます多様化するキャンプスタイル。そんな中、自分のペースや価値観を優先でき、思い立ったら気軽に行けるといった理由から、ソロキャンプの人気が高まっている。

 自分だけの贅沢な時間が楽しめるソロキャンプは女性キャンパーにもすっかり定着しているが、夜間や就寝時のトラブルなど、危険が伴うのも事実だ。

 今回、筆者は栃木県鹿沼市にある「REDROCKキャンプ場」で開催された、女性限定キャンプイベント「女キャンパーの宴」に参加した。女性キャンパーならではのこだわり、安全に楽しむためのポイントをレポート形式でお届けする。

■女性限定キャンプイベント「女キャンパーの宴」とは  

2021年4月にオープンした「REDROCKキャンプ場」
女性キャンパーらしい色とりどりのテントが並んだ会場

 なんともたくましいネーミングのこのイベント。開催場所となったのは、村長と呼ばれるご主人(オーナー)とその奥様(ヨーコさん)が経営するキャンプ場「REDROCKキャンプ場」。何度も来たくなるようなキャンプ場を目指し、業者に依頼せずに自分たちで木を植え、区画整備を行い、手作りでキャンプ場を作り上げた。サイトは9つに区画分けされており、川と山に囲まれた自然を満喫できる立地、思わず「ただいま」と言いたくなる雰囲気で、リピーターが多いのにも納得だ。

 今回行われた「女キャンパーの宴」は、普段は男性率の高いREDROCKキャンプ場で、女性が安心してキャンプができるようにといった趣旨で企画された。貸し切りイベントとして、1年ぶり4回目の開催。参加費3,500円、定員15名。16時に乾杯をして、翌朝に太陽の下でヨガをするといったプログラムが用意されていた。

 イベント当日は適宜チェックインし、設営後はそれぞれの時間を過ごす。ソロ参加者がほとんどというアットホームな雰囲気だ。筆者は目の前を流れる大芦川の清流に癒されながら、まずは生ビール。至福の時だ。

■乾杯からの、各々自慢のテントサイトツアーへ

テントに合わせた自作のタープ
シェラカップを掛けるのに便利なダイソーのラック
ランタンシェードのコレクション

 村長のスパークリングワインの開栓で宴がスタート。ヨーコさんのアイデアでそれぞれの胸にはキャンパーネームを貼り、乾杯で少し緊張がほぐれ一息ついたところで、テント訪問ツアーが始まった。

 全員で13張のテントを一つずつ見て回る。みんなお互いのギアに興味津々で質問が飛び交い、なかなか次のテントに進めない。

 さすが女性キャンパー。インテリアから小物使いまで、それぞれ特徴があってすばらしい。和柄などおしゃれなランタンシェードのコレクションや手編みのガーランドを正面入り口にかけている人、和モダンな手ぬぐいをテントにかけ、汗拭きにうまく使うなどさまざまだ。

 若くてかわいらしい雰囲気の女性なのに、Bundokのパップテントで無骨な演出をしていたり、Ogawaで統一している参加者もおり、それぞれがテントやギアを大切にしていることがわかる。

 一番驚いたのは、手作りのタープ。テントの色に合わせて4色のきれいな布でオレンジ系にまとめていた。かなり大きなサイズであったが、家庭用ミシンで縫ったそうだ。どれだけSNSが普及しても、リアルな現場での情報交換に勝るものはないと実感した。