今年もこの季節がやってきた。夏の終わりから秋にかけてのこの時期、筆者が毎年、欠かさずに行っているイベントがある。山梨県や長野県などで体験できる「シャインマスカット狩り」だ。

 シャインマスカットは種がなく、皮ごと食べられるのが特徴の大粒のぶどうで、高級品種として人気が高い。東京都内から日帰りのバスツアーも多く開催されており、手軽に行ける点もうれしい。エメラルドグリーン色に輝く「宝石」のようなシャインマスカットの魅力を、筆者のあふれる愛とともにお伝えしたい。

■人気品種「シャインマスカット」の魅力

大きな房が一面に実をつけている光景は、まるで楽園のようだ

 シャインマスカットは、2006年に登録された比較的新しい品種のぶどうで、大粒で味わい深いのが特徴。日本では山梨、長野、岡山、山形県で主に生産されている。デパートやスーパーマーケット、加工されてケーキ店のショーケースなどで陳列される様子を目にしたことがある人も多いだろう。「マスカットの女王」の名にふさわしく、美しく輝く色と気品ある姿にいつも目を奪われてしまう。

 なんといっても魅力は、見た目、味、そして食べやすさだ。1粒の大きさは11~12gとぶどうの中でも大粒で、糖度は20度程度。酸味も低いため、口に含んだ瞬間、みずみずしい甘味と豊かなマスカットの香りが口いっぱいに広がるのだ。

光を浴びて「宝石」のように輝くシャインマスカット

 併せて、フルーツ狩りで着目したい点が「食べやすさ」だと筆者は感じている。これからの季節、梨やりんご、桃など多くの果物狩りが楽しめるということは知っているが、農園で「狩って」から口にするまでに越えるべきハードルがある。

 梨やリンゴは切って皮をむく必要があるし、桃は果汁で口元や手が濡れてしまうため食べる場所を選ぶ。その点、シャインマスカットはちぎってすぐ口に放り込むだけ。皮を捨てる必要がなく、種もない。ずぼらで面倒くさがりな筆者にはぴったりなのだ。

 保存に関しても利点が多い。一度に食べきれなかった場合でも、水洗いして水分をふき取り、チャック付きの袋(フリーザーバックなど)に入れて冷凍しておけば、アイス感覚で1粒ずつ食べることもできる。シャーベット状で甘くてシャリシャリとした冷凍の食感は、病みつきになってしまう。ジュースやワインに入れて、氷の代わりにしたり、サングリアの感覚でフルーツ独特の甘さと香りを楽しむのもお気に入りの食べ方だ。