登山では季節や山の標高、日帰りか宿泊かなど、状況に応じたウェアの選択が必要だ。岩場の凹凸、泥はねや積雪など、足元の影響を受けやすい下半身のウェアは、主にロングパンツとショートパンツの2つに分けられる。それぞれの特長を把握したうえで着用すれば、より快適な登山が楽しめるのでこれからの登山に役立てて欲しい。

■ロングパンツとショートパンツの特長

●ロングパンツ:どんなシーンでも対応!  通年着用できる

1年を通して履けるロングパンツ(撮影:BRAVO MOUNTAIN編集部)

 登山で最も着用されているロングパンツ。その最大の特長は足全体を保護してくれることにある。山中では岩を攀じ登ったり、枝や笹などのヤブをかき分けて進むなど、引っ掻き傷や切り傷を負うことも少なくない。ロングパンツは腰から足首まで下半身全体を覆っているので、傷を負うリスクを下げてくれる。

 また夏に多いアブや蚊、蜂といった虫からの防御にも役立つ。肌の露出が多いショートパンツと比較すると、ロングパンツの方が安全対策としては万全と言えるかもしれない。また、高い標高や低気温時に厚めの生地のパンツを履けば、保温効果も高まるのがポイントだ。

 保護機能と保温効果の高いロングパンツだが、ショートパンツと比較すると脚を大きく動かしづらい点が挙げられる。ただ近年はストレッチ素材を採用した従来品よりも動きやすくなった製品もあるので、ロングパンツを選ぶ際のポイントにして欲しい。