井上陽水が歌う主題歌が印象的な、映画『少年時代』。先日惜しまれつつ亡くなった、藤子不二雄A(〇の中にA)の同名の漫画も有名だ。原作となった芥川賞作家・柏原兵三の小説「長い道」の舞台は、富山県入善町(にゅうぜんまち)。

 新潟県との県境の親不知(おやしらず)に近く、北アルプスを望む地だ。この町にある2つの特色ある無料のキャンプ場には、何度でも通いたくなる魅力がある。隣町・朝日町で名物「たら汁」もぜひ食べていきたい。

■黒部川沿いのオートキャンプ場「墓ノ木自然公園キャンプ場」

【墓ノ木自然公園キャンプ場】へは、黒部川の河川敷の道を通って行く(撮影:ブラボーマウンテン編集部)

 日本最大級のダム・黒部ダムから流れ出た水は、「下の廊下」と呼ばれる断崖絶壁の下を流れ、欅平から宇奈月温泉までは黒部峡谷鉄道が並走し、やがて北陸新幹線と交差し、日本海に注ぐ。「墓ノ木(はかのき)自然公園キャンプ場」は、その黒部川沿いにある林の中のキャンプ場だ。

【墓ノ木自然公園キャンプ場】は好きな所に車を停めてテントを張るスタイル(撮影:ブラボーマウンテン編集部)

 無料で利用でき、受付も不要。広い敷地の中の好きな場所に車を停めて、テントを張るオートキャンプ場だ。設備は水場と、仮設トイレ(簡易水洗)だけのシンプルなものだが、これで十分。

【墓ノ木自然公園キャンプ場】では、夏でも木陰は涼しい(撮影:ブラボーマウンテン編集部)

 筆者が訪れたのは、8月の夏の盛りであったが木陰は涼しく、草地にテントを張り、椅子に座ってうたた寝してしまったくらいだ。

【墓ノ木自然公園キャンプ場】では敷地内を小川が流れる(撮影:ブラボーマウンテン編集部)
【墓ノ木自然公園キャンプ場】すぐ近くから白馬連峰が見える(撮影:ブラボーマウンテン編集部)

 人里離れた場所にあるように感じるキャンプ場だが、車で5分くらいのところにスーパー「大阪屋ショップ宇奈月店」と「ファミリーマート黒部宇奈月店」がある。

 そこから北アルプス白馬の山々が見えた。井上陽水の「少年時代」の切ないメロディーが聞こえてきそうな雰囲気だ。

●墓ノ木自然公園キャンプ場

・住所:富山県下新川郡入善町墓ノ木地先
・電話:0765-72-3837(入善町住まい・まちづくり課 都市計画・公園係)

・ホームページURL https://www.town.nyuzen.toyama.jp/gyosei/soshiki/sumai_machidukuri/3/2/1196.html
※開設時期・営業日はホームページよりご確認ください