子どもにとって釣りは、生き物と触れ合える貴重な体験。なかでも海は、多種多様な魚が釣れるため、見たことのない魚に出会うことができておすすめだ。また、海釣りならただ釣るだけでなく食べられる魚も多い。子どもが「自分で釣った魚を食べる」という刺激的な経験をすることで、食への関心も深まるだろう。

小さい子どもなら、手すりや柵があるような場所の方が安心

 親子で釣りを楽しむ場所としては、比較的安全な港や堤防、釣り公園、砂浜などがよいだろう。しかし、子どもは初めてのことに興味津々で夢中になり、危険を伴うケースも出てくる。特に水辺で行う釣りは危険が多い。そこで、子どもと一緒に釣りをするうえで気をつけておかなければいけないポイントを紹介する。

■安全な場所でもライフジャケットは必須

堤防など手すりのない場所も多い。もしもに備えてライフジャケットは欠かせない

 釣りに夢中になっているとどんどん前のめりになったり、海へ落ちてしまう可能性もある。車止めにつまづいて海や湖に転落してしまうことも少なくない。ライフジャケットを着用していれば、そんなもしものときでも大きな事故にならずに済む。

ライフジャケットは、サイズの合ったものを選ぶ

 子どものライフジャケット選びは「適切なサイズ」と「股ベルトつき」がポイント。サイズが合っていないと体重に耐えられず沈んでしまったり、大きすぎて脱げてしまう可能性がある。安全のためにも、サイズの合ったものを選ぶとよいだろう。

 股ベルトは、ライフジャケットがすっぽ抜けてしまうのを防ぐためのもの。子ども用は特に、股ベルトの有無と着用の際には接続を必ずチェックしておこう。正しい着用方法と適切なサイズで使用すれば、ライフジャケットの役割を果たせるため安心だ。

■最低限のマナーを教える

比較的人が少ない場所を選んで釣りをしている 

 どんなレジャーにもあるように、釣りにもいくつかのマナーがある。ポイントの割り込みをしないことや、キャスト(釣り竿を振る)時に周囲の人がいないかの確認、切れたラインや釣り針といったゴミの回収など、釣りが初めての子どもにはきちんと伝えたい。

 特に走ったり暴れたりすることが周りに迷惑をかけるだけでなく、事故にもつながる危険な行為であることを話しておき、事前に約束しておくとよいだろう。

■壊れても良い道具で遊ぶ

子どもと一緒の釣りは、壊れても痛手のない古いものを使用する

 初めての場合は釣り道具の使い方もわからず、乱暴に扱ったり置いてある竿先を踏んでしまったりする。そんなとき高い釣竿だと壊れる可能性が大いにあることに加え、壊された時のショックも大きいため、子どもだけでなく大人の道具も安価なものがいいだろう。

筆者は、長年使っている穴釣り用の短い竿を子ども用として使用している

 また、高価な釣り道具を持っていくとそのことに気を取られ、子どもから目を離してしまうため危険だ。はじめこそ手軽で使いやすい道具で挑戦するのがよいだろう。各メーカーから子ども用の釣竿が出回っているのでチェックしておこう。