<熊野古道×赤木川・前編>”超軽量ボート”を担ぎ上げて清流で川下り!
<熊野古道×赤木川・中編>世界遺産の川に注ぎ込む美しき支流「赤木川」をのんびり下る

■自転車で日本の原風景を漕ぎ抜ける

 再びパックラフト一式を担いで、赤木川を後にする。前日に置いておいた自転車を回収し、本流の熊野川に向けて赤木川沿いを走っていった。これがまた下り基調だし、横目で清流を楽しめるから超絶気持ちがいいのだ。

 時折現れる素朴で可愛らしい集落や、日本の原風景を思わせる欄干のない沈下橋が郷愁をそそる。こういう風景の中に身をおくと、なんともいえず幸せな気持ちになる。だから僕は川下りだけに固執せず、流域の雰囲気も楽しむ「川旅」というスタイルを推奨しているのである。

沈下橋を見ると謎の郷愁感に襲われるのは僕だけだろうか?

 やがて本流の熊野川(新宮川)に合流すると、川は一気に大河となる。この日は増水の名残で茶色く濁っていたが、こういうときには面白い光景を目にすることができる。清流の北山川と濁流の熊野川が合流する場所で、水が混ざりきらずに川がハッキリ2色分割されているのだ。

手前が熊野川。奥から合流してくる清流が北山川だ

 旅のスタートでもありゴールでもある請川周辺には、地元の熊野牛を使ったランチを食べられるカフェや、カレー専門店、とりそば屋などもあるので、寄り道してからゴールするのもいいだろう。

■開湯1800年!  世界遺産の温泉へ

 起点と終点でもある請川の東部には、非常に魅力的な温泉が3つある。1つは開放的な大露天風呂が魅力の「わたらせ温泉」。2つ目は川原を掘ったらそこから温泉が湧き出てくる「川湯温泉」。そして3つ目が、世界で唯一の世界遺産に登録された温泉がある「湯の峰温泉」だ。

開湯1800年! 日本最古の湯として愛される湯の峰温泉