登山を始める目的は人によって様々だが、日常では見ることのできないスケールの「景色」を見ることを登山の目的にしている人は少なくないだろう。筆者もその一人だ。

 絶景を見るためには、険しい山道を何時間もかけて歩き続けないといけないわけではない。この記事では、駐車場から1時間30分もあれば山頂に到着でき、山頂では絶景の富士山を楽しむことができる三ッ峠山(みつとうげやま)の登山ルートを紹介する。

 三ッ峠山は、開運山(かいうんざん)、御巣鷹山(おすたかやま)、木無山(きなしやま)の3つのピークの総称であるが、「三ッ峠山」の山頂標識があるのは最高峰の開運山山頂だ。標高は1,785mで、日本二百名山や山梨百名山、新・花の百名山などに選定されているほか、日本百霊山の一つでもあり、霊山としても知られた歴史をもつ山だ。

 登山者だけでなく、クライマーにも人気の山で、山頂直下には高低差80m、幅200mの規模の岩場があり、関東周辺でも有名なクライミングスポットとして知られる。

登山道から見た三ッ峠山山頂(撮影:山歩ヨウスケ)

■三ッ峠登山口から目指す山頂

 紹介するルートは三ッ峠山山頂までの最短ルートで、三ッ峠登山口からスタートする。登山口には県営の無料駐車場がある。駐車できる台数は20台ほどと多くはないので、土日にはできるだけ早く行動したい。

 登山口からは、車が一台通れるほどの林道が山頂近くの山荘まで続き、傾斜も緩やかなので登山経験が少なくても安心して歩くことができる。

登山口から近い登山道。車が通れるほどの道幅があるので歩きやすい(撮影:山歩ヨウスケ)
三ッ峠山荘から木無山方面に向かう途中、設置されたベンチの脇を通ると富士山がキレイに見える絶景ポイントがある(撮影:山歩ヨウスケ)

 登山口から1時間ほどで「三ッ峠山荘」に到着する。テラスにはテーブルとイスが設置されていて、自由に使うことができる。テラスからは富士山の景色と眼下に広がる街並みの景色を楽しみながら休憩するのにおすすめしたい。

三ッ峠山荘のテラス。自由に使えるテーブルとイスが設置されているのでありがたい(撮影:山歩ヨウスケ)
通年営業をしている三ッ峠山荘。登山者やクライマーで賑わう(撮影:山歩ヨウスケ)