百名山の一つに数えられる八幡平(はちまんたい)。夏に見られる高山植物のお花畑や秋の草紅葉などが魅力である。とくに、八幡平登山口から点在する湖沼や湿原をめぐるルートが人気で、手軽に自然の素晴らしい景色を堪能できる。

 しかし、このメインルートはハイカーだけでなく観光客も歩くので、混雑することが多い。人混みを嫌うハイカーにとってはストレスになることもあるだろう。そこで、八幡平のなかでも穴場、かつメインルートにも引けをとらない景色が見られるスポットを4つご紹介する。静かな山歩きをしたい人はぜひ参考にしてほしい。

●八幡平のマップはこちらから

https://www.hachimantai.or.jp/trekking/file/2023hanameguri.pdf

■【八幡平】穴場ハイキングスポット1:黒谷地湿原

黒谷地湿原に向かう散策道。ニッコウキスゲやコバイケイソウが咲き誇る(出典:あきた森づくり活動サポートセンター)

 八幡平の東に位置する黒谷地(くろやち)湿原。ひらけた湿原にはワタスゲやコバイケイソウ、ニッコウキスゲなどの高山植物が咲き、お花見を楽しめる。また、黒谷地湿原には展望台と休憩スペースがある。そのため、湿原をゆっくり観察できたり、湿原を眺めながら食事をとったりできる。

 黒谷地湿原へは、八幡平アスピーテライン(岩手県側)の黒谷地駐車場から歩いて15分ほど。八幡平のメインルートからは少し離れているため、人混みは比較的少ない。

■【八幡平】穴場ハイキングスポット2:源太森

源太森山頂からの眺め。遠くには雲海が広がっている(撮影:BRAVO MOUNTAIN編集部)

 八幡沼の端、源太分れの分岐を進んで10分ほどの場所に、源太森(げんたもり)と呼ばれるピークがある。源太森は八幡平三大展望地の一つに選ばれており、山頂からは八幡平の広大な湿原や岩手山の山容が望める。

 源太分れからの道は登山道となるため、進む人は少なくなる。また、八幡平山頂よりも源太森の山頂のほうがひらけた展望が見られるので、おすすめの穴場スポットだ。