寒さが緩んで暖かい日が増えてきたこの季節は、標高の低い里山に登るのにうってつけだ。凍結や積雪、残雪の心配が少なく、コースタイムも短いので本格的な登山シーズン前の足慣らしにぴったりな里山ハイキング。
今回は、静岡県静岡市にある標高561mの里山「ダイラボウ」で楽しむハイキングを紹介する。
ダイラボウは、日本全国に伝わる巨人「ダイダラボッチ」の伝説から名付けられた。その昔、ダイダラボッチが富士山を築山するために琵琶湖の土を富士山に運ぶ際、山から山へ一跨ぎした際にできた足跡がダイラボウの山頂にある広場。ここは今でもダイダラボッチの足跡の形をしていると言われている。
ダイラボウハイキングでは登山口までは茶畑の広がる農道を歩き、スギやヒノキ、竹が広がる雑木林を進み、山頂からは富士山と静岡市街など、静岡らしい景色を楽しめる。
■茶畑の間を歩いて登山口へ
ダイラボウのハイキングコースはいくつかあるが、ここでは往復3時間程度で、初心者でも気軽に楽しめる富厚里峠(ふこうりとうげ)・ダイラボウ周回コースを紹介する。
ハイキングコースの玄関口は、静岡駅からバスに乗って35分程度の場所にある「中藁科(なかわらしな)こども園前」。周回コースは、富厚里峠を経由してダイラボウを目指すルートで、帰りは富厚里公民館方面へ周って下山するルートである。富厚里公民館の駐車場には公共トイレが備えられているので、今回はハイキング開始後すぐにトイレに行って準備を整えられるよう、逆ルートで登り、富厚里峠を経由して戻ることに。
バス停下車後、藁科川を渡って富厚里公民館を目指す。このハイキングコースでは、公民館の駐車場と山頂付近の2ヵ所にトイレが備えられている。ここの駐車場にある公共トイレで、しっかり準備を整えてハイキングへ。
公民館からは両側に茶畑が広がる農道を歩く。静岡らしい景色を眺めつつ、標識に従って進んでいこう。
しばらく足を進めると、景色は茶畑から竹林に移り変わる。竹林の間を歩いていると、無人の小屋とダイラボウの文字が書かれた標識が見えてくる。ここからは舗装路ではなく登山道が続くので、息を整えてから向かおう。
小屋の脇をすり抜けて進むと、木漏れ日の気持ち良い登山道が迎えてくれる。傾斜はそこそこあるので、焦らず自分のペースで登ろう。雑木林の中にも標識があるので、見落とさないように気をつけながら足を進める。