テントサウナの使用や設置場所に関して、「許可とかって必要なのかな? 勝手にやっていいのかな?」という疑問を抱いている人も多いと思う。

 そこで、現在テントサウナの法的にどのような扱いになっているのか、日本の現状をまとめてみた。

■そもそも、テントサウナ利用に許可はいるのか?

 結論から先に申し上げると、個人で楽しむ分には特別な許可は必要ない。もちろん公的な場所や他人の私有地でやったりする場合には、その土地の所有者からの許可が必要だが、自分の家の庭でやる分にはなんの問題もない。

 ただし、住宅地でやる場合、煙突から出る煙が火事と思われて通報されてしまう可能性がある。事前に地域の人には知っておいてもらうか、消防へ連絡しておくと余計なトラブルが避けられるだろう。

自分の家の庭なら許可をとる必要はない

■生業でやるには多くの許可が必要

 一方、テントサウナを持っていると「この幸せをみんなにも味わってほしい! 有料化してご招待しちゃおう!」なんて思うこともあるだろう。しかし、そうなった途端、あなたは一気にスペクタクルな展開に巻き込まれていくことになる。

 そこには公衆浴場法、消防法、建築基準法、場所によっては河川法、旅館業法、自然公園法などなど、羅列するだけでも吐き気を催すほどのめんどくさい許可申請の嵐が待っている。しかも、テントサウナ自体が新たな文化なので、法の内容が古いまま(基本的に温浴施設用の法が適用される)。法改正が追いついていないから、もう公衆浴場法の時点で許可を取りたくても取れないというのが現状なのだ。

 現在行われているテントサウナの有料イベントなどは、あくまでも個人のお客さんにレンタルして、お客さん自身で設置と管理と撤収をする(要は個人利用の範囲内)ことで成り立っている場合が多い。

レンタルだけだと事故にもつながる。早期に法整備してプロがサポートできる環境を

 さすがにこれじゃ、申請する側も許可する側も困っちゃうってことで、2022年11月にはサウナ好きの国会議員が超党派議員連盟を発足して法整備に向けた検討が始まった。また、独自の規制緩和をする自治体も出てきているので、生業として興味ある人は、それらの動きも注視しておくといいだろう。