八ヶ岳連峰の最北端、長野県に位置する蓼科山(たてしなやま)は、円錐型で均整の取れた独立峰で「諏訪富士」の異名を持つ。そんな蓼科山は標高2,531mで、山頂には蓼科神社の本宮が祀られている神秘的な雰囲気を漂わせる火山である。

 蓼科山へはシラカバやカラマツなどからなる樹林帯を歩き、大きめの岩が転がり勾配が少し急な岩場を登って山頂を目指すという、バラエティに富んだ登山を楽しめる。

 体力に応じてコースをいくつか選ぶことができ、一番コースタイムが短い七合目登山口から登るルートは、往復4時間程度で山頂に立つことができる。岩場が少々大変なものの、初心者からベテランまで幅広い層で蓼科山登山が楽しまれている。

 山頂からは360度のパノラマ大絶景では八ヶ岳や北アルプス、中央アルプス、南アルプスの山々を一望できる。今回はそんな蓼科山登山の魅力を紹介しよう。

■七合目から樹林帯を歩いて登山スタート

 蓼科山の登山ルートはいくつかあるが、ここでは最短時間で山頂に立てる七合目登山口からのルートを紹介しよう。

 七合目登山口は標高1,900m地点の中央自動車道諏訪ICから1時間15分ほど車を走らせた場所にある。この無料駐車場には綺麗なトイレも整備されているので、しっかり登山の準備を整えて山頂を目指そう。

七合目登山口にある蓼科山一の鳥居

 蓼科山は山岳信仰の山であり、七合目登山口には蓼科神社の一の鳥居が建てられているので、これをくぐって登山を始めることになる。

序盤は原生林の中を歩いて山頂へ向かう

 一の鳥居からは原生林に囲まれた樹林帯の中を歩く。登山道は綺麗に整備されており、地元の小中学生の学校登山でも利用しているとのこと。勾配も緩やかなので、幻想的な景色を楽しみながらゆっくり歩こう。

 登山口から1時間30分ほど歩くと樹林帯をぬけ、将軍平と呼ばれる場所に辿り着く。ここには山小屋があるので、これから登る岩場に備えて休憩を挟むのもよさそうだ。

最後は急な岩場を登って山頂へ
山頂に佇む蓼科神社本宮

 将軍平からはゴロゴロとした岩場を40分、踏ん張って登って山頂を目指す。最後の最後で油断しないよう、気をつけて足を進めると、山頂に佇む蓼科神社の本宮が見えてくる。登山者しか訪れられない貴重な神社なので、山頂制覇の際に拝んでおこう。