三密を避ける意味もあり、野外のアクティビティやアウトドアスポーツに挑戦する人が増えている昨今。「せっかくだから釣りに挑戦してみたいけれど、難しそうだからなかなか手が出せない」という人も多いはず。そこで今回は、初心者でも簡単に始められ、親子で楽しめるハゼ釣りを紹介する。   

■ハゼ(マハゼ)とは?

頭がずんぐりとした、可愛らしい姿のマハゼ(撮影:小松優太)

 ハゼとは、全国の内湾や河口の汽水域に棲息している魚だ。ひとくちにハゼといってもその種類は多く、日本国内だけでも約400種類はいるとされている。それらのなかでも最もポピュラーで、初心者でも簡単に釣れるのは、マハゼという種類だ。

 ハゼの体長が10cmほどに成長した夏以降からシーズンを迎え、晩秋まで全国各地の河口や堤防などで釣りを楽しめる。

■ハゼ釣りに必要なもの

 ハゼを釣るための仕掛けは何種類かあるが、今回は初心者でも簡単に挑戦できる「ミャク釣り」用の仕掛けを紹介する。

●竿

筆者が使用している長さ2.7mの延べ竿(撮影:小松優太)

 ハゼ釣りでは主に、2〜5mほどの延べ竿を使用することが多いが、3mほどの長さがおすすめだ。この程度の長さがあれば、足元から少し先の水深のあるところまで幅広く狙える。

●ミチイト

筆者はミチイトにナイロンの1号を使用している(撮影:小松優太)

 竿に結ぶミチイトの素材は主に、フロロカーボンとナイロンの2種類があるが、癖がつきにくくて扱いやすいナイロンがおすすめ。ミチイトの太さは号数で表記され、数字が大きいほど太くなる。ハゼ釣りでは1〜2号がよく使われるが、筆者の経験的に1号が使いやすいので推奨する。

 なお、後述する仕掛けとミチイトを結び合わせた長さが、竿の長さと同等になるようにしよう。竿と同じ長さにすることで、仕掛けや餌の交換が行いやすくなるためだ。

●仕掛け

商品のなかには、おもりとセットで販売されているものもある(撮影:小松優太)

 ハゼ釣りの仕掛けは専用のものが多く売られているが、「片天秤」は初めてでも簡単に取り扱える。商品名に「天秤」や「片天秤」と記載されていることが多いので、購入時にチェックしよう。

●オモリ

鉛製のオモリは、複数個がセットで売られている(撮影:小松優太)

 仕掛けに取りつけるオモリも必要だ。オモリもミチイトと同様に号数で表記され、数字が大きいほど重くなる。ハゼ釣りでは1〜3号が主に使用されるが、扱いやすく、ハゼのアタリもとりやすい1.5号がおすすめだ。

●釣り針

ハゼ専用の針が赤いのは、ハゼが赤色を好むとされているため(撮影:小松優太)

 釣り針もハゼ専用のものが多数販売されている。釣り針の大きさもミチイトやオモリと同様に号数で表記され、数字が大きいほどサイズが大きくなる。夏のハゼはまだまだ成長途中で魚体が小さいぶん口も小さいので、釣り針も小さめな4号がおすすめ。

 なお、釣り針には30cmほどの長さの釣り糸(ハリス)が結び付けられている。

●エサ

ボイルほたては使いやすくてよく釣れる(撮影:小松優太)

 ハゼ釣りの一般的なエサとして、さまざまな釣りで使われるゴカイ(ジャリメ)やアオイソメ(アオムシ)が挙げられるが、ミミズのような見た目が苦手な人は多いはず。

 ハゼ釣りはスーパーで売られているボイルほたてでも十分に釣れ、エサとしての抵抗も少ないため誰でも扱いやすい。ボイルほたてのほかにも、市販のボイル桜エビもハゼ釣りのエサとして有効だ。

●仕掛けの完成写真

仕掛けはシンプルで取り扱いやすい(撮影:小松優太)

 紹介したものをすべて組み合わせると、上記のようになる。あとはこれを投げ入れてハゼを釣るのみだ。