秋になると本格シーズンを迎える釣りものの一つが「ハゼ」である。なかでも9月の彼岸を過ぎた頃から釣れるマハゼは「彼岸ハゼ」とも呼ばれ、夏場よりひと回り成長した良型が狙えるようになる。

 そんな秋のハゼ釣りを楽しめる人気フィールドが、茨城県を流れる涸沼川(ひぬまがわ)だ。淡水と海水が混ざり合う汽水域にはマハゼをはじめとするハゼ類が多く生息し、秋には良型の数釣りも期待できる。仕掛けも釣り方もシンプルで、朝夕だけでなく日中でも狙えるため、初心者や家族連れにもおすすめの釣りである。

茨城県を流れる一級河川・涸沼川。昔からハゼ釣りの人気フィールドとして知られている

 今回は本格シーズンを少し先取りして9月初旬の涸沼川へ出かけたところ、約3時間の釣行でマハゼや20cmに迫る大型のウロハゼなど、期待以上の釣果に恵まれた。釣った良型のハゼは持ち帰り、涸沼周辺でも古くから親しまれてきた天ぷらを使った天丼にして味わった。秋本番を迎える涸沼川のハゼ釣りの魅力を、実釣の様子とともに紹介したい。

■秋が本番! 涸沼川のハゼ釣り

海水と淡水が混じり合う汽水河川・涸沼川。ハゼをはじめ、多くの生き物が暮らしている

 マハゼ(スズキ目ハゼ科)は河川の下流部や河口付近の汽水域、内湾などに生息し、砂泥底を好む魚である。淡水と海水が混ざり合う涸沼や涸沼川はマハゼの好釣り場として知られ、昔から多くの釣り人に親しまれてきた。

 ハゼ釣りシーズンは夏から始まるが、良型の数釣りを狙うなら秋がおすすめだ。春から夏に浅場で成長したマハゼは秋になるとサイズアップし、とくに9月の彼岸を過ぎた頃に釣れるハゼは「彼岸ハゼ」と呼ばれている。10cmを超える良型も増え、数とサイズの両方を期待できる。

 10月いっぱいは岸近くの浅場でも狙いやすいが、水温が下がる晩秋以降は徐々に深場へ移動するため、岸から手軽に楽しむなら9~10月が絶好のタイミング。しかもハゼは朝夕だけでなく日中でも狙えるため、時間に余裕を持って楽しめる。日中の気温が過ごしやすくなる秋の休日に、のんびり楽しむ釣りとしてもおすすめである。

■根掛かりを避けて護岸際をミャク釣りで狙う

今回筆者が狙ったのは、護岸の壁際に沈む消波ブロックの隙間

 ハゼ釣りでは、リールをセットした竿で仕掛けを10mほど投げ、川底を広く探るチョイ投げ釣りが一般的である。しかし、涸沼川には川底に石やカキ殻などの障害物が点在する場所も多く、仕掛けを投げて引いてくると根掛かりしやすい。また、海に近い汽水河川だけに潮の干満による水位や流れの変化も大きく、流れが速い時間帯には仕掛けが流され、根掛かりすることもある。

涸沼川には川底にカキ殻が沈んでいる場所も多く、広範囲を探る釣り方では根掛かりのリスクが高くなる

 そこで筆者が涸沼川で多用しているのが、護岸の壁際を狙うミャク釣りである。今回探った場所は護岸際の水深が約2mあり、川底には消波ブロック(通称、テトラポッド)が沈められていた。沖へ仕掛けを投げるのではなく、足元付近に落として探ることで、根掛かりのリスクを抑えながら効率よくハゼを狙うことができる。

 使用したのは長さ2.4mのチョイ投げ用ロッドにスピニングリールをセットし、自作のシンプルなミャク釣り仕掛けを組み合わせたもの。この釣りのコツは、オモリの重さを感じながら、ラインにテンションが掛かった状態(糸が軽く張った状態)を保つことにある。こうすることで、ハゼがエサをくわえた瞬間のアタリが竿先や手元にダイレクトに伝わってくる。

 逆にラインテンションが緩んだ状態だと、エサをくわえたハゼが消波ブロックの隙間へ潜り込み、そのまま根掛かりしてしまう。ラインを張っておけばアタリを素早く察知でき、魚が障害物へ潜り込む前に取り込める。ミャク釣りは根掛かりが少ない仕掛けとはいえゼロではないため、ハリス付きの予備バリは多めに用意しておくと安心だ。

【使用タックル】
ロッド:スピニングリール竿(万能竿) 長さ2.4m
リール:スピニングリール 2000番
道糸:ナイロン糸 3号 100m ※根掛かりが多いため、太めのラインを使用
仕掛け:自作のミャク釣り仕掛け(オモリは中通しタイプ4号)
予備のハリ:ハゼ針 7号(ハリスは0.8号)※ 根掛かりの多い釣りのため多めに用意しておくと安心
エサ:中サイズのアオイソメ(30gで500円ほど)※ 3cmほどにカットして使用

今回、ハゼ釣りで使用したのはシンプルな「ミャク釣り」仕掛け

【必須の道具とあると便利な道具】
ライフジャケット:水難事故を防ぐための必須アイテム
長靴:潮の干満によって水位が上がり、護岸が水につかる場合に使用
水汲みバケツ:釣ったハゼを生きたまま一時的に入れておくもの
エアーポンプ:バケツに入れたハゼに酸素を供給
クーラーボックス:持ち帰るハゼを氷で冷やして保管するために使用
小型アクリル水槽:釣ったハゼを横から観察できる
日よけ&日焼け止めグッズ:川岸は日差しを遮るものが少ないため、必須アイテム
手洗い用の水:折りたたみ式の給水タンクなどに水道水を入れて持参すると便利
タオル:濡れたり汚れたりした手を拭くために使用