暦の上では立春を過ぎ、春が到来している。

 しかし、まだまだ山では寒さへの警戒を怠ることができない。特に筆者は痩せ型で筋肉量が少ないため寒がりで、登山中に冷えによって体調を崩してしまった経験もある。

 そんな筆者が失敗を繰り返し辿り着いた、春まで“ちょい足し”で使える小物系の防寒対策アイテムを紹介する。既存の防寒アイテムを丸ごと交換することなく、自分にとって特に冷えやすい箇所を重点的に寒さから守るための小物系アイテムの「ちょい足し」は、高価なダウンウェアなどよりも導入しやすい。

 また、個々の値段を比較的安価に抑えられる点も魅力的だ。今回紹介するアイテムは全て5000円以下のものなので、筆者と同じく寒がりの方は最後までご覧頂きたい。

■寒さ対策を甘く見て撤退した経験

 筆者の登山での失敗は色々とあるが、最もつらい体験だったのが寒さ対策を怠ったことによるもの。寒さの残る3月の初め頃に稜線での休憩時、いつの間にか体がすっかり冷えて固くなっていた。さらにその固さは強烈な肩凝りと頭痛、足の痙攣を引き起こしてしまった。

 そのために撤退したが、下山中に痙攣していた足がつり、初めて登山中に「遭難」の二文字が脳裏をよぎったのである。予定よりも大幅に遅れたが無事に自力下山して事なきを得たものの、あの時の背筋が凍るようなゾッとする経験は二度としたくない。

■なぜ着込んでいたのに体は冷えたのか

 登山を始めて間もない頃の失敗とはいえ、基本的な防寒対策は行っていた。それなのに、なぜ体が冷え切り、撤退をすることになってしまったのか。グローブはしていたし、中間保温着やウィンドシェルだけでなく、レインジャケットまで着ていたのだ。

 しかし、一方で下半身は登山用ズボンと下着だけ。さらに冷たい地面に直接座り、体温はさらに奪われる状況だった。休憩した場所は開けた稜線で風も強く、より体温を奪われやすい環境だったこともあったと思う。つまり気温だけでなく、風や地面からの冷えなども防寒対策では考える必要があるということだ。

■ウェア類のちょい足し防寒アイテム

ブランケットのようにタオルを使い、下半身を冷えから守る。

 冷えによるトラブルと撤退という経験を経て、防寒対策を見直すことにした筆者だったが、高価なダウンウェアなどは当時学生ということで金銭的余裕がなく、最初から選択肢に入れていなかった。

 そんな中で個人的に効果があったのはタオル類の活用だ。特に効果を実感したタオルは速乾性を期待して購入したcocoon(コクーン)の「マイクロファイバータオル・ウルトラライト(税込1760円)」だ。風をあまり通さなかったので膝掛けとしてだけでなく、首や腹に巻いて使うと寒さがかなり和らぐ。

 さらにコロナ禍で日常的に着用したマスクも、ビーニーと合わせれば簡易バラクラバとして機能するのでかなり暖かい。

マスクとビーニーで簡易バラクラバとして顔や耳を風から守る。タオルも首に巻けば露出が減ってかなり暖かい。

 筆者が愛用しているハンドウォーマーはMOUNTAIN EQUIPMENT(マウンテンイクィップメント)の「ハイロフトフリースハンドウォーマー(税込3850円)」。同社のアイテムの中では比較的安価なアイテムだ。ワークマンなどでもより安価なハンドウォーマーも売られているが、フリースの肌触りが好みだったので、こちらを使うようになった。行動中だけでなく、グローブの着用が煩わしい調理する場面などで手の冷えを緩和してくれるので重宝する。

指先は自由に動き、手の甲から手首まで広い範囲を暖められるハンドウォーマー

 そして、昨今のウエストウォーマーの進化は目を見張るものがある。特にアウトドアブランドが販売しているものは野外でも着脱の煩わしさを軽減する工夫があり、さらに汗抜けがよい点も嬉しい。

 低山であれば高価なウェアを一着だけ追加購入するだけでなく、ここまで紹介したような小物類を工夫して組み合わせることで、環境に臨機応変に対応可能になるのでおすすめだ。

筒形のウエストウォーマーも使っていたが、サイドにあるジッパーで着脱が容易なものに変更した。写真はmont-bell(モンベル)の「ジオラインEXP.サイドジップウエストウォーマー(税込2530円)」