夏休みが始まった!  一年のうちで何度か訪れるキャンプのトップシーズンの到来だ。またとない季節において、迫る休暇を前に「仕事が終わらないかも……」「他の用事が入るかも……」などと手をこまねいているうちに、タイムリミットとなり、キャンプ場の予約を取り損ねた経験をしたことがある人もいるだろう。

 そんな時に、頭に浮かぶ選択肢の一つが“予約なしのキャンプ場”だ。だが、せっかく準備をして渋滞を通り抜けて現地に着いたのに、満杯で入れなかったらどうしよう?  そう思うとついつい避けがちにもなる。

■大型連休に“予約なしキャンプ場”に行った経験

みずがき山自然公園キャンプ場の駐車場。後ろに瑞牆山(撮影:伊大知崇之)

 何を隠そう筆者もそう考えていた一人だ。だが、その考えが変わる出来事が、今シーズンにあった。それは、今年のゴールデンウィークでのこと。大型連休を前に、また同じ轍を踏んでしまい、予約のないまま4月末を迎えようとしていた。慌てて方々のキャンプ場へ当たってみたが、空きがあるところは皆無。

 そこで……! 今年は、意を決して予約なしのキャンプ場に行くことにした。というのは、いざというときのために見定めていた施設があったのだ。それは山梨県北杜市にある「みずがき山自然公園キャンプ場」。瑞牆山の麓にあって、フリーサイトに約100か所分のテントサイトがある。

 日程は5月3日〜4日。いきなりはさすがに不安なので、前日に電話をして入れるかどうか状況を聞いてみた。すると……。

 「全然、入れますよ!   今まで入れなかったことはないですよ」

 あっけにとられるような回答。それならば、行ってみよう!

■モーレツな渋滞の中、現地着は13時過ぎ​​

キャンプ場があるのは瑞牆山のお膝元(撮影:伊大知崇之)

 当日朝、筆者最寄りの国立府中ICから中央自動車道に乗ったのが7時半。大型連休後半初日のモーレツな渋滞はご存知の通りで、須玉ICで高速道路を下りて一般道を約1時間、現地に着いたのは13時過ぎのこと。

 フリーサイトの場内には、既にテントとタープがひしめきあい、合間あいまのスペースをクルマが埋めているというような状況だった。

 これは、さすがに、満杯になってしまったかな……?

管理棟の大きな建物(撮影:伊大知崇之)

 管理棟の庭先にクルマを停め、受付へ。管理人さんを見るや否や……。

 「入れますか!?」

 「大丈夫ですよ、何人ですか?」

 聞けば、夕方には帰るキャンパーや登山者がいるので、今は、空きスペースにサイトを確保し、クルマは一旦どこかに置き、空きが出来たら移動してくればいいという。予約が不要ということは、チェックアウト時間が特に決められていないということ。自由度が高いシステムだ。

​​サイトを見渡す(撮影:伊大知崇之)

 料金は1人1500円×3人、プラス、タープ1張り1000円の計4500円。会計の後、設営場所を探す。受付では管理棟前をすすめられたが、そこは遠慮して、もっと奥へ。ウロウロすると確かに余地は残っていた。その中で選んだ南の外れのスペースは木の下に広がる目立たない場所で、南アルプスを正面右に見据える。

 絶好の穴場だった!

眺めの良い場所に陣取った!(撮影:伊大知崇之)

 クルマは、近くに停められたので、そのままで良しとした。

 地面は気持ちの良い芝。テントとタープを張り、アウトドアチェアに背中を預けると、まずは缶ビールをプシュ!  これこれ、これなんだよな。