栗駒山は宮城県・秋田県・岩手県にまたがる、東北人にとっては馴染みの山で、東北でも有数の紅葉の名所として知られています。さて、今年の紅葉はいかに?

■気軽に歩ける人気の山 でも準備を怠りなく!

 主要な登山口は、宮城県側の「いわかがみ平」と岩手県側の「須川温泉」。クルマでのアプローチが便利ですが、いずれも紅葉の時期は道路の渋滞と駐車場の満車が必至です。登山口近くの宿やキャンプ場に前泊して温泉やテント泊を楽しみ、早朝に移動するのもオススメです。

 また、紅葉シーズンには、週末を中心に「くりこま高原駅」からの臨時バスも運行しています。

 仙台方面からもアクセスしやすい、いわかがみ平登山口からの主要なルートが、中央コースと東栗駒コースの2つ。いずれも往復3〜4時間のコースタイムと手軽な日帰り登山コースですが、見事な紅葉に見惚れながら歩くことになれば、コースタイムを大幅に超えること間違いなし(笑)。

中央コースは比較的なだらかで歩きやすく整備されています
山登りをより味わいたいなら、東栗駒コースがおすすめ

 中央コースはなだらかな山腹をよく整備された登山道が通る、とても歩きやすくて、歩く人が最も多いルートです。

 もうひとつの東栗駒コースは、沢を渡ったり稜線歩きもある、登山をより楽しめる表情豊かなルート。そのため、防水透湿性のあるミッドカットの登山靴や防風防水対策としてのレインウエアは必須となります。また、休憩時の体温低下を防ぐための防寒対策も重要です。取材時は稜線で強風と雨に見舞われましたが、ゴアテックスのレインウェアが効果を発揮してくれました。

東栗駒コースでは沢伝いに100メートルほど上る場所も
東栗駒山頂。稜線からの眺めはガスに隠れてしまいました

■天候次第でさまざまな表情を見せる紅葉の美しさ

 9月下旬の栗駒山の山肌は、まさに極彩色の絨毯を敷きつめたかのような美しさ! なだらかな山の斜面を彩る鮮やかな紅葉を、いつまでも飽きることなく眺めてしまいます。真っ白なガスの切れ間から突然現れてはまた隠れる姿や、見下ろす山のほの暗い中腹にさっと光が射す瞬間など、一瞬一瞬で変化する紅葉の表情に目を奪われました。

 これだけ美しい山の紅葉を見てしまうと、次は秋晴れの空の下に輝く一面の紅葉もぜひ見てみたいし、須川温泉からのルートと白濁の温泉も楽しんでみたい……と欲がふくらんでしまいます。何度も訪れたくなる、とても魅力にあふれる山でした。

栗駒山の紅葉
栗駒山の紅葉
栗駒山の紅葉

 例年ですと、栗駒山の紅葉シーズンは10月中旬まで。各種の情報をしっかり集め、装備を確認し、そして感染防止対策を十分にしたうえで山の秋を楽しみたいですね。

山の秋のどまんなかにいられるシアワセ……
 
●宮城県栗原市観光ポータルサイト(いわかがみ平側):https://www.kurihara-kb.net/publics/index/25/
●岩手県一関市観光協会公式サイト(須川温泉側):https://www.ichitabi.jp/spot/data.php?p=13
●team koi(登山 with コロナの情報発信プロジェクト):https://note.com/teamkoi/