バックカントリーの楽しみは真冬だけじゃない。まずは春から始めるのがおすすめ!

■天気がよければ、ほら! 大迫力の雪稜が目前に

そびえ立つ白馬岳の山塊

 スプリットボードの楽しみは、パウダーライディングだけじゃない! スノーシューより表面積が大きく浮力があるので、 ラッセルが楽になり深い新雪の上も、雪解けの春に苦戦するような踏み抜きも少なく、楽に進むことができちゃいますから、もっと遠くへ! 3月頃から徐々に天気が安定してきて、遠くの山を目にするチャンスも増えてきます。 雪をかぶった岩稜の黒と雪の白の陰影は実際に目の前にすると、山がせまってくるようで大迫力ですよ。

■たとえば、夏には行けない場所へいける

雪の森の中。スプリットボードなら自由に歩ける

 雪が降って植物が完全に埋まると、夏は植生保護のため立入禁止のエリアへ冬期は歩いていくこともできます。(もちろん、通年禁止されているエリアもあるので、行く前に調べてね。)湿原の上を歩いたり、見たかった景色に近づいたり、今まで見えなかった新しい構図に気づく、なんてこともあるでしょう。 ルートファインディングをしながら、誰も踏んでいない雪の上に自分たちのファーストトラックを残して、行きたかったあの場所へ!

■パウダーライディングってどんな感じ?

スプリットボードで快適パウダー滑走

 ぱっふぱふの底つきのない雲の上を重力のままに滑り降りていく夢みたいな感じ、といったら伝わるでしょうか? 滑るときには1本にするスプリットボードは、スキーよりも滑走時の浮力があるんですよ。雪も軽いものから重いものまでありますから、その時々の自然のコンディションによって滑り心地は変わってきます。私のスプリットボードのもっとも気にいっているところは、悪い雪でも滑れてしまうので、どんな日でもだいたい楽しい! 下山したとき今日もおもしろかったと思えます(笑)

■春はざらめ雪のシーズン!

 季節がめぐり3月頃からの雪面は、太陽の影響をうけて、日中はとけて、夜は冷えて凍って・・・の繰り返し。すると、表層の雪は小さな氷の粒になってきます。 その「ざらめ雪」を滑るのが楽しいシーズン! ざらめ雪は浮遊感はないけれど、新雪とは違う滑りごたえがあるんです。 厳冬期よりも天気が安定して遠くまで足を延ばせるし、日も長くなってくるので、遠出のバックカントリートリップを計画するのも面白いですよ。 真冬はまだ埋まっていなかった沢や谷が、雪崩で埋まり滑れるようになると、行きたい場所も増えていきますね。

■はじめるにはガイドツアーがおすすめ

バックカントリー用のバックパック。THE NORTH FACE「チュガッチ45」。シャベル・プローブ・シールが収納しやすい

 まず最初は、ガイドをお願いして行きましょう。雪山には夏山にはないリスクがたくさんあります。 スキー場とは滑り方も違いますし、ビーコン・プローブ・シャベルの雪崩救助装備の使い方なども教えてもらって入山しましょう。 資格をもった現地ガイドがおすすめですよ。