2024年は修繕工事を行うため、9月後半までと営業期間が短いが、いつもの年は「この山域は秋がいいから!」と11月頭まで営業している。光岳の秋は本当にいい。空気が澄んで、天候も安定し、夕立が少なく晴れの日が多くなる。

 例年だと4か月ちょっと山にいることになる。今のところ、スタッフは私と高橋くん、2人ぼっちのシフト体制なので、この間は休暇下山もない。常にもう1人いてくれたらいいのだが、厨房のど真ん中に階段を下ろして上り下りするような屋根裏しかない極狭な生活環境なので、3人暮らしはなかなか難しい。

 それでも忙しい時期にはピンポイントで助っ人が来てくれるからありがたい。今年は、もうすぐ助っ人のクミちゃんが来てくれるはず!

■換気好きが高じて換気をしまくっていた。おかげで夏はいい風が流れた。

ベッドは防水、カーテンはロープと金具を使って間仕切っていた

 1年目は、そんな狭い屋根裏部屋にスタッフ3人で寝ていた。私がいるべき3畳半の管理人室には、夕食に使うマッサマンカレー用のお肉をぎっちりみっちり入れたストッカーを2台も置いていたからだ。段ボールに囲まれながら、銀マットを敷いてそれぞれ持参した寝袋で眠っていたっけ(眠る時間には毎日やり切って疲れ果てていたから、そんな環境でも眠れないことはなかったな)。

 1年目の営業は、静岡県のコロナ対策マニュアルにのっとって行っていた。宿泊者用の各スペースに間仕切りカーテンをし、それぞれのスペースで換気できるようにした。(県からお借りしている建物なので、取り外し可能な方法を考えるのにも頭を使った)。選んだマットレスは防水にしたので、毎日拭き掃除とアルコール消毒をした。

 お客さんに「こんなに換気してる山小屋ないよ〜」と半分呆れられるくらい換気をし、お客さんが窓を閉めても「ちょっと換気しますね〜」と強い心でニコニコしながら窓を開けていた。

 しかし、お客さんのスペースはそこまでしていても、スタッフの住環境はそうもいかなかったので、1人がダウンするともう逃げ場はない。