「ダイヤモンド富士」とは、富士山の頂上に太陽が重なり、ダイヤモンドが輝きを放っているかのように見える現象だ。

 これが見られるのは場所と時期が限られている。今回紹介する山梨県南巨摩郡身延町にある七面山(しちめんさん)の頂上付近では、春分の日と秋分の日近辺で、年2回見ることができる。。

 信仰の山に登り、お寺の宿坊へ泊まる。翌朝にお寺付近からダイヤモンド富士を拝んで、下山後は地元の特産品を使った料理をいただく、1泊2日のピストンコースを紹介する。

■標高1,700mの秘境のお寺「敬慎院」へ参拝

七面山を登った先の秘境のお寺「敬慎院」

 山梨県にある七面山は、法華経の聖地として全国から参拝者が訪れる信仰の山だ。登った先にあるお寺「敬慎院(けいしんいん)」は、標高約1,700mの場所にある。参拝するには標準コースタイムで3時間40分の道のりを歩いて登るしかなく、まさに秘境のお寺と言える。

 表参道と呼ばれる羽衣(はごろも)登山口からスタート。 比較的ルートは安全で、小学生も登っている。ただ距離が長いので、それなりの体力が必要だ。筆者は休憩も入れて、4時間かかって到着した。

 人によっては5時間以上かかることもある。気軽なハイキング気分で行かないよう、時間に余裕を持たせたスケジュールを立てしっかり登山の準備をして欲しい。

七面山敬慎院
住所 〒409-2524  山梨県南巨摩郡身延町身延4217-1
電話 0556-45-2551

ホームページURL:https://www.kuonji.jp/shichimenzan/index.htm

■夜は、七面山で貴重な宿坊体験

七面山「敬慎院」での精進料理

 敬慎院の宿坊に泊まると、山寺ならではの貴重な体験ができる。宿坊へは15~16時頃までに到着するようにしよう。

 石鹸やシャンプーなどは使えないが、お風呂で汗を流せるのでまずはさっぱりしよう。その後、精進料理をいただく。筆者は日本酒を飲まないが、お酒好きの友人は七面山のお神酒がほかより美味しいと言う。

 18時半からは、敬慎院で祭っている七面大明神様に会える「御開帳」という儀式がある。ご祈祷もできるので、家内安全をお願いした。

 七面山のお経はスピード感があり、他とは違った独特な雰囲気がある。不思議と聞き入ってしまい、体の中にお経が流れ込んでくるような感覚だ。ぜひ一度、体験してほしい。