大自然を愛するキャンパーであれば、一度は憧れるであろう北海道でのキャンプ。しかし、本州に住む筆者からすると、海を越えなければならない北海道は気軽に行けるとは言い難い。ましてや大きな荷物を持っていくキャンプは、とてもハードルが高く、憧れは憧れのまま…… になってしまうところだった。フェリーという存在を知るまでは。

■フェリーという選択肢

 本州から北海道へ行く交通手段は、飛行機のほかにフェリーがあるのをご存知だろうか。実は、島国である日本には多くのフェリーが運航していて、本州と北海道を結ぶ航路もある。このフェリーの存在を知り、筆者は夢の北海道キャンプ旅を実現することができたのだ。

 今回は、フェリーを利用した旅をもっと身近に感じてもらえるように、「北海道キャンプ旅」にかかった費用の内訳を公開する。「もし自分が北海道でキャンプ旅をするなら……?」というイメージをしながら読んでいただけるとうれしい。

■今回の北海道キャンプ旅について

茨城県大洗と北海道を結ぶフェリー「さんふらわあ」

 費用のことを記述する前に、前提として、旅のルートや人数について記述する。

・旅のルート

 茨城県にある大洗港を出発し、北海道の苫小牧港に到着するフェリーを利用した。苫小牧港から札幌→ニセコ→支笏湖→小樽→富良野→旭川→苫小牧というルートを約2週間かけてめぐった。各所で1〜2泊して次の地域へ移動するスケジュールだ。

・人数

 夫婦+中型犬1頭。

・車

 コンパクトSUV1台。車中泊は想定しておらず、宿泊する場所はすべてキャンプ場やホテルを押さえた。

■「さんふらわあ」で愛犬とともに船旅! ペット連れにうれしいサービスあり

夕方便には船内にバイキングレストランがあり、景色を眺めながら食事を楽しめる

 今回の旅は、茨城県と北海道を結ぶフェリー「さんふらわあ」を利用した。1日に夕方便と深夜便の2便が運航しており、乗船時間は約18時間だ。筆者は行きに深夜便、帰りに夕方便を利用した。金額は、乗用車運賃、旅客運賃、ペットケージ利用料を合わせて、行きが51,700円、帰りが65,730円となった。

 客室は、行きはカジュアルルーム、帰りはコンフォートという部屋を利用した。どちらもベッドが1人1床割り当てられ、カーテンで区切られている相部屋だ。また、今回は利用しなかったが、夕方便には「ウィズペットルーム」という客室がある。名前の通り、わんちゃんと同室で過ごせるプランで、追加で費用はかかるものの、愛犬家にはうれしいサービスだ。

 運賃は車のサイズや乗船時期によっても金額が異なる。特にハイシーズンは運賃も高くなっているため、節約するならオフシーズンが狙い目だ。1日ずらすだけでも、大きく下がる場合がある。

■ガソリン代、高速料金は意外と安い? 峠道で北海道の洗礼を受ける

マイカーで行けるのはフェリー旅の最大のメリット

 自家用車で行くので、レンタカー代は節約できるが、ガソリン代や高速料金は必要経費だ。北海道内での総走行距離は約1,000km、時間を優先して必要に応じて高速道路を使った結果、ガソリン代は出発前に満タンにした分もあわせて20,405円、高速料金は14,620円となった。高速料金は本州の感覚だと、もう少し高くなるような気がしていたが、北海道はそもそも高速道路の数が少ないように感じた。高速道路ではないが、信号が少ない峠道が多かった印象だ。ちなみに、峠道は急カーブが延々と続き、景色も変わらないところが多く、キャンプで疲れた体には結構堪えた。