冬型の気圧配置となり、北日本の日本海側から徐々に荒天と変わっていく週でした。長野県北部に住む筆者は、迫り来る冬から逃げるように太平洋側へ。

 秋になると本州の多くの一般河川での釣りが禁漁になります。それと入れ替わるタイミングで増えているのが、河川の特定の区間に設けられた“冬季釣り場”です。目指したのは相模湾の河口までわずかな距離、神奈川県小田原市の「早川冬季特別区」です。

■濃い魚影! トラウトファンに大人気の「早川冬季特別区」

左岸沿いに道路(未舗装)があり、河原へも降りやすい

 神奈川県西部、箱根「芦ノ湖」一帯を原流域とし小田原市を流れ、相模湾に注ぐ早川。渓流釣りの解禁中はアユやヤマメ釣りでも有名な川です。その下流部に設けられた“冬季特別区”は、元気な良型ニジマスが定期的に放流されるために魚影も濃く、魚を確認しながら釣りができるサイトフィッシングにも適した流れで、平日でも多くの釣り人が訪れる釣り場です。

 人口が集中する関東エリア、しかも高速のインターからも近いというアクセスの良さが、人気にさらに拍車をかけているようです。

 筆者の知人たちも随分と通っているようで、60cm以上もある大物の釣果写真も見かけます。個人的に以前から気になっていた、憧れの冬季釣り場でもあります。

営業期間:2023年10月22日〜2024年1月31日

早川河川漁業協同組合

■あいにくの強風! 風を味方につけられるか

比較的開けた渓ですがこの季節は日が入るのが遅く、風に凍えそうでした

 車を降りると山から吹き下ろす風に身震いしました。河原のススキが激しくなびいています。気温は6℃でしたが、それ以上に寒く感じてしまいました。しかし、県をいくつも跨いではるばるやってきたので、釣りをしないという選択肢はありません。

 筆者にとっては初めての釣り場だったので、YouTubeやSNSを参考にして入念にシミュレーションしてきました。(混雑状況も加味して)入る場所も候補を選んでありましたし、フライローテーションも組み立て済みだったのですが、出端をくじかれた感じです。もちろん天気予報もチェックしていたので、風が強いのはわかっていたのですが、地形などの影響でもう少し和らいでくれると(希望的観測で)思っていました。

 自然のフィールドでの釣りは、常に臨機応変さが試されます。難しい方がむしろ攻略しがいがありますし、放流から時間が経った激戦区、キャッチ&リリース故の百戦錬磨のニジマスが相手ですので、むしろ風でさざ波が立っているくらいの方が偽物(フライ)だと見抜かれにくいかも。楽観的に考えて釣りを開始しました。

妖しい光を放つペルディゴンパターンのフライ

 まずは最近、海外のSNSでもよく見かけるPerdigon(ペルディゴン)ニンフを結びました。流れに沿わせて送り込むとマーカーが水中に引き込まれました。いきなりかかった魚に若干慌てましたが、水量が少ないおかげで走り回る範囲は限定されます。かなり重たい引きでしたが、最後には無事にネットイン。まるでサクラマスやサツキマスのような風格を醸し出した、ほぼ無斑のニジマスが僕を睨んでいました。

精悍な顔つきのニジマス。嬉しい一本!

 開始早々魚を掛けただけでなく、バラすことなくキャッチできたのは、僕にしては僥倖です。幸先のいいスタートにひと安心。これで今日一日気持ちにゆとりを持って釣りを楽しめそうです。しかし、後が続きません。結局しばらく釣れませんでした。