バックカントリースキーといえば、厳しい寒さに耐えながら山を登り、ひたすら粉雪を求めて奥深いフィールドを滑走するというイメージをもっている人も少なくないでしょう。もちろん、そういう一面はあるのですが、今回ご紹介するのは、滑りはもちろんのこと、グルメも宿もバッチリ楽しめるという普通のバックカントリースキーなら“あり得ない”ツアー。至福の時間を心行くまで楽しんできました。

■“わたスキ”のロケ地でもあるバックカントリーエリア「芳ヶ平」

広大な芳ヶ平湿原は、バックカントリースキーエリアとなるなだらかな斜面に囲まれています。凍った池塘(小さな沼)の上を自由自在に歩くこともできます

 芳ヶ平は、群馬県中之条町と草津町にまたがり、上信越高原国立公園内に位置しています。環境省によって「重要湿地」に選定された高層湿地群があり、平成27年には、国際的に重要な湿地であるとしてラムサール条約の登録地にもなっている貴重な場所です。

 また、“わたスキ”として一世を風靡した映画『私をスキーに連れてって』のロケ地としても有名です。そんな場所でガイドとともにバックカントリースキーを楽しめるツアーがあると知って、すぐに参加を決めました。あの原田知世と一緒に滑っている気分になれば、若かった頃の自分に戻れるかもしれないという淡い期待を抱きつつ……。

■スタートから「雲上のパン屋さん」へ突入!

横手山山頂にある日本一高所のパン屋さんに突入する面々

 まずは、志賀高原の横手山スキー場リフトで山頂へ。横手山頂ヒュッテ内には「日本一高所のパン屋さん」があるとのこと。それを聞いた筆者たちは、まだバックカントリーエリアにも入っていないスタート直後にもかかわらず、次々とヒュッテに吸い込まれていってしまうのでした。

おいしそうなパンがたくさん! これは買わずにはいられません

 すると、噂通り「雲の上のパン」として人気の手作りパンがたくさん並んでいました。あれも欲しい、これも買いたいという気持ちを抑えつつ、「チーズチーズ」という、その名の通りチーズがたっぷり入ったおいしそうなパンをチョイス。ウェアのポケットにそっと入れてバックカントリーに向かいました。