気がつけば12月も後半。忙しさにかまけていたら、いつの間にか雪山の季節になっていた。

 車は早々と冬タイヤに変えておいたものの、雪山用の道具はまだチェックが不十分。冬用のハードシェルジャケットやパンツ、手袋にビーニーと、衣装ケースの奥に追いやっていた衣類はひとまず出しておいたものの、アイゼンにピッケル、スノーシューなどは使う前に点検しなければならない。この季節ならではの手間がかかる作業ばかりだ。手をつけるまでは腰が重いのだけれど、やり始めるとそれはそれで楽しい。

 ということで、今回は「雪山を歩くってどんな感じ?」をテーマにしたいと思う。ぼく自身が「雪山初心者を連れて行く」ことを踏まえながらリスクの小さい道を前提にして、山頂まで片道1時間程度の山を選ぶ。もちろん絶景は外せない。

 では、早速一座目にいってみよう。

【飯盛山】八ヶ岳、南アルプス、金峰山が目の前すぎる!

登り始めからこの絶景。目の前の山容は、八ヶ岳の南側だ

 飯盛山の登山口は、野辺山にある平沢峠。JR小海線の野辺山駅から歩いて1時間程度と好立地で、駐車場の目の前にはド迫力の八ヶ岳がそびえたつ。気分が上がるこの絶景に、登る前から励まされること間違いなしだ。

 登山をしない人でも、ここに車を停めてコーヒーを飲むだけで最高の気分転換になるくらいの、素晴らしい景色。とはいえ、雪の季節は路面の凍結に気をつけて運転しなければならない。登る前から注意力が試されるのが、雪山の常である。

ただひたすら雪を踏みしめながら歩く。登り始めから絶景が広がっている

 夏山と変わらない道のりは、ただただシンプルで、難しい技術を求められるような危険箇所はない。なだらかな道をひたすら歩いていく。

 ただし、雪が少なくても、登山道は凍結している可能性は高い。チェーンスパイクや軽アイゼンといった雪山歩きの道具は必須。頭、手、足といった身体の末端の防寒や、目を守るサングラスなどの対策も大切だ。

 積雪の状況によっては、それ以上の本格的な装備が必要となる場合があるので注意しよう。雪山に出かける心得として、極寒、積雪、凍結に備えた最低限の準備が必要だということは、頭に入れておきたい。