北アルプス南部に位置する「乗鞍岳(のりくらだけ)」は、長野県と岐阜県の県境に位置する山で、主峰「剣ヶ峰(けんがみね)・標高3,026m」をはじめとする23の山々からなる複合火山だ。

 その登山拠点である「畳平(たたみだいら)・標高2,702m」までは「乗鞍エコーライン(長野県側)」と「乗鞍スカイライン(岐阜県側)」の2つの山岳道路でアクセスできるのだが、2003年から環境保護の観点でマイカー規制が実施されており、観光客はシャトルバス、もしくは自転車でのみ通ることが可能だ。

 そのため、畳平まで至る道はシャトルバスや工事車両を除き、自転車だけが通行可能な国内最高所の道として、サイクリストの聖地と呼ばれている。

 今回筆者は2024年8月中旬頃、乗鞍エコーラインの「三本滝(さんぼんだき)レストハウス」から畳平まで自転車でアクセスし、さらに剣ヶ峰までの登山を楽しんだので、そのレポートをお届けする。

■三本滝レストハウスから自転車を漕いでいく

スタート地点の三本滝レストハウス

 乗鞍エコーラインは、乗鞍高原から長野県と岐阜県境の標高2,716m地点までを繋ぐ区間だ。自転車だと標高約1,450m地点の「乗鞍観光センター」からスタートする人が多いが、筆者は登山も楽しみたいため、少し標高を上げた約1,800m地点の三本滝レストハウスに車を駐車し、そこから自転車を漕いでいくことにした。標高差900m、気合が必要だ。

 三本滝レストハウスから先はマイカー規制が実施されているため、車の往来を心配することなく走ることができる。しかし、シャトルバスや工事車両などの大型車が時々走るため、前方に見えたらカーブ手前で止まるなどして気を付けて走行しよう。

乗鞍エコーラインから中央アルプスを望む
標高を上げていくと乗鞍岳が見えてくる
ヘアピンカーブを何本か越えると現れる位ヶ原山荘

 最初は木々に囲まれたなだらかな坂を登って行くが、ほどなくすると左側に眺望が広がる。眼下に広がる山々の先、雲の上に威風堂々とそびえ立つ中央アルプスを見ながら、息を整えてまたペダルを漕いでいく。

 たびたび立ち止まって景色を眺めつつ、ゆっくりと標高を上げていくと乗鞍岳の山容が見えるポイントに。この先は勾配が徐々に急になっていくため、ギアを下げてさらにゆっくりと一定のペースで漕いでいく。体力に自信のある人は休まずに漕いでいけるかもしれないが、焦らず自分のペースで進もう。

 また、エコーラインの途中には「冷泉(れいせん)小屋」や「位ヶ原(くらいがはら)山荘」などの休憩ができる山小屋があるため、立ち寄るのもよいだろう。

●施設名 位ヶ原山荘

住所 〒390-1520  長野県松本市安曇4306-7
電話 090-9001-7362

ホームページURL:https://www.kuraigahara.jp/

※営業日時はホームページよりご確認ください

●施設名 冷泉小屋

住所 〒390-1520  長野県松本市安曇4285
電話 070-7566-0352

ホームページURL:https://reisenhutte.com/

※営業日時はホームページよりご確認ください