麓が初夏の陽気につつまれるころ、2,500m級の山々では春が始まる。それとともに冬期封鎖されていた登山口のある林道が開通し、アプローチが便利になるところも多い。
今回は冬期閉鎖の林道が6月1日に開通し、登山口へのアクセスがしやすくなる「金峰山(きんぷさん)」を紹介したい。
■「県営林道川上牧丘線」開通で時間短縮となる金峰山
金峰山は山梨県甲府市、北杜市、長野県川上村にまたがる標高2,599mの山だ。奥秩父に属し、標高こそ北奥千丈岳(きたおくせんじょうだけ)が最高峰であるが、奥秩父を代表する山のひとつである。日本百名山の一座に名を連ねているほか、山梨百名山や信州百名山、甲府名山などにも選ばれている。
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山頂に鎮座する五丈岩(ごじょういわ)は、金櫻神社(かなざくらじんじゃ)の御神体となっており、小さな鳥居と祠が祀られている。
金峰山へと続く登山道は東西南北にあるが、ここで紹介するのは最短ルートだ。登山口となる大弛峠(おおだるみとうげ)は標高2,360mに位置しており、マイカーで通行できる峠としては標高日本一である。そんな大弛峠へ向かうには林道「県営川上牧丘線」を利用する。この冬期閉鎖の林道が毎年6月1日に開通する。
大弛峠と金峰山山頂の往復は約4時間。別のルートである瑞牆山荘(みずがきさんそう)の登山口からだと往復で約8時間かかるので半分だ。
また、スタート地点の標高が2,360mなので、標高差が少なく初心者でも挑戦しやすいのも特徴といえる。
■大弛峠から静かな樹林帯を歩き朝日岳へ
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大弛峠の駐車場にはトイレも設置されている。この先にトイレはないのでここで済ませておこう。
登山口から朝日峠までは、シラビソの樹林帯を歩きながら標高を上げていく。
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樹林帯ではところどころ開ける箇所があり、眺望を楽しみながら登れるだろう。開けたところからは富士山が見えることもある。およそ35分で朝日峠に到着する。
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朝日峠から朝日岳へは30分ほどで、樹林帯は続くが、大きめの岩がゴロゴロとした場所も増えてくるので浮石でバランスを崩さぬよう、できるだけ平らな場所を見つけて歩きたい。
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朝日岳は標高2,579mの山で、甲府名山に選ばれている。山頂からは富士山や金峰山を望むことができ、ベンチも設置されているので休憩をとるのにぴったりな場所だ。