新緑の季節を迎え、本格的なアウトドアシーズンが到来。冬の低山歩きも魅力的だが、夏山シーズンの準備として、今の時期は1,000m超えの少し標高の高い山に登りたい人も多いだろう。

 そこで今回筆者は小学3年生と中学2年生の息子を連れて登ってきた、富士山の絶景が見られることで知られる山梨県の人気の山、竜ヶ岳を紹介したい。子連れ登山は暑さが本格的になる前、もしくは積雪のない秋がおすすめだ。

■富士山、本栖湖と見どころたくさんの石仏ルート

竜ヶ岳石仏ルートを歩く(撮影:深瀬あみ)

 山梨県と静岡県にまたがる竜ヶ岳は富士五湖のひとつ、本栖湖(もとすこ)の南岸に位置する標高1,485mの山。登山口近くにある駐車場までは、都心からでも中央自動車道などを利用して約2時間半とアクセスもよい。12月上旬から1月初旬にかけてはダイヤモンド富士が見られ、1年を通して多くの登山客が訪れるスポットでもある。

 山頂へ向かうルートはいくつかあるが、中でも石仏ルートは、駐車場からのコースタイムが約2時間で難所もなく、初心者でも登りやすい。登山道からは本州一の透明度を誇る美しい本栖湖や、富士山の雄大な景色を眺められ、人気のルートとなっている。

 今回は子どもたちが富士山を好きなこともあり、石仏ルートを往復することにした。

■駐車場から見晴らし台へ

本栖湖キャンプ場駐車場(撮影:深瀬あみ)

 2024年4月中旬の土曜日7時頃、登山客も利用可能な本栖湖キャンプ場駐車場に到着。駐車場は舗装されていないが、広々としていて停めやすい。土曜日だったが、意外にも登山・キャンプ客は少なかった。

 当日の天気予報は晴れ。本栖湖の最高気温は22℃の予報であったが、現地に到着し温度計に目をやると6℃の表示。予想外の寒さで少し震える中、登山靴を履いて準備を開始。日中の日差しに備えて日焼け止めを塗り、8時半頃出発した。

 「竜ヶ岳登山道入口」と書かれた道標を過ぎると、すぐに急な登山道となる。道幅は狭いところもあるが、しっかり整備されており、ほとんど迷うことはない。ゆっくり登りながらも、どんどん高度を上げていく。普段あまり運動をしない小学生の次男は体力がなく、何度か小休止しながら進んだ。

整備された竜ヶ岳の登山道を歩く(撮影:深瀬あみ)

 しばらくは樹林帯を歩いていたが、次第に笹原が見えはじめた。登山口から約1時間、木製のベンチが置かれたやや開けた場所に出た。木々の間から富士山が見え、少し疲れた様子を見せていた次男も元気を取り戻した。

木々の間から見える富士山(撮影:深瀬あみ)
登山道から見えた本栖湖(撮影:深瀬あみ)

 ベンチからは比較的ゆるやかな登山道となり、約30分で東屋がある見晴らし台に到着。目の前に美しい富士山が一望できる絶景ポイントだ。ここで持参したおにぎりを食べ、15分ほど休憩した。見晴らし台の先には石仏があり、このルートが石仏コースと呼ばれる由縁となっている。

竜ヶ岳のゆるやかな登山道(撮影:深瀬あみ)
見晴らし台にある石仏(撮影:深瀬あみ)