春になったら桜を楽しみにしている人も多いだろう。桜や花の名所というと行きやすい場所にあり、「神社・仏閣×桜」が定番と言える。

「仁淀ブルー」で有名な仁淀川流域には花見スポットが多数ある

 しかし、今回紹介する高知県の仁淀川流域にある桜を中心とする花見の名所は、車一台がやっと通れるような狭小道路や見通しの悪い山道を通らないといけない細道の先にあるスポットばかり。筆者が初めて訪れた際は、山道を走りながら、本当にこの先にあるのかと不安に思ったほど秘境のような場所だ。

 ここで紹介するお花見スポットは、例年なら3月末から4月初旬に見頃を迎える。筆者は2023年の4月3日に訪れている。それでは、高知県へ移住し6年目を迎えた筆者が仁淀川流域の花見スポットを紹介する。

■仁淀ブルー? だけじゃない仁淀川流域!

「仁淀ブルー」と呼ばれる仁淀川の水色は運転の疲れを癒してくれる!

 透明度の高さと水色の美しさから「仁淀ブルー」と呼ばれ注目度が上がっている仁淀川。そんな仁淀川流域には桜を含めた花の名所がたくさんあり、中心となる仁淀川町へは高知市内から車だと国道33号線で1時間ほどの道のりとなっている。

花見スポットまでの道のりは見通しの悪い場所もあり運転には気を付けてほしい

 また、花見スポットまでの道路は、国道から住民の生活道となる脇道に入っていくので、訪れる際は対向車の存在に気を付け、住民の方々に迷惑をかけないようにする配慮が必要だ。

仁淀川流域はお茶の産地でもあり、茶畑も多くある

■集落の上まで登ったら現れる「ひょうたん桜」

集落の上にあるひょうたん桜は周囲が開けていて絶景が楽しめる

 最初に紹介したいのが「ひょうたん桜」。エドヒガン桜で、樹齢約500年、樹高21m、根元廻り6mと県の天然記念物にも指定されている。名前の由来は花の萼筒(がくとう)下部(基部)が球状に膨らみ、ひょうたんの形をしているように見えることから名づけられたとされる。一帯には菜の花畑も広がっており、ひょうたん桜とのコラボを楽しむことができるスポットだ。

ひょうたん桜の案内板

 ひょうたん桜までの道のりは、国道33号線沿いにある仁淀川町役場横から山道に入り、15分ほど登ると道が急に開け、桜が見えてくる。ひょうたん桜は集落の上部にあるため、山の上から集落を見渡せて眺めがとてもよい。

 ひょうたん桜の開花期間中となる3月中旬から4月上旬は多くの鑑賞者が訪れる。この時期は車の混雑を避けるために国道33号線から国道439号線側への一方通行となるため、交通ルールを守って運転してほしい。

ひょうたん桜の周りにも多くの桜の木が植えられている
ひょうたん桜への道のりはガードレールのない箇所もあるので、脇見運転に注意してほしい

 場所:ひょうたん桜
 住所:高知県吾川郡仁淀川町桜994
 電話:0889-35-1082(仁淀川町企画振興課)

URL:https://www.town.niyodogawa.lg.jp/life/life_dtl.php?hdnKey=948

●【MAP】ひょうたん桜

■本当の桃源郷が高知に!? 「久喜の花桃」

道路からは植えられた花桃を見ることできる

 次に紹介したいのが、桜に劣らず美しい春の花「花桃(はなもも)」である。「久喜の花桃(くきのはなもも)」は、国道から離れた場所にある。元々ここには花桃が無かったとのことだが、地区の新名所への思いをこめ、住民の方が植えた結果、今では見事な花桃が咲いている。開花時期にはバスツアーで訪れる人がいるほどの人気スポットだが、昨年の豪雨の影響で道路が崩れ、現在はマイクロバス以上の大型車では行くことができなくなっている。

花桃に後ろの山の緑が合わさって美しい

 花桃はピンクだけでなく、白に背景の緑が加わることでより鮮やかさを増す。桃源郷というのはきっとこういう場所のことを指すのではないかと思えるような場所だ。久喜の花桃は近くで見るより、道路沿いの少し離れた位置から眺める方がより美しく見える。

花桃が多く植えられている久喜は甘い花の匂いが香るような場所だ

 場所:久喜の花桃
 住所:吾川郡仁淀川町久喜
 電話:0889-35-1333

 URL:https://niyodoblue.jp/spot/detail.php?id=150

●【MAP】久喜の花桃