この冬、大規模リニューアルして生まれ変わった長野県木島平村のスキー場「スノーリゾートロマンスの神様」。2023年12月23日にオープンしたこのスキー場も、1月中旬に列島を覆った寒気による大雪のおかげで、いよいよ全コースオープンとなりました(2024年1月28日現在)。

 広瀬香美さんのヒットソングなら、イントロを聴くだけで曲名を言い当てる自信がある昭和生まれ平成育ちのライターが、滑りたてホヤホヤの現地レポートをお届けしましょう。

■あの名曲がそのまま名前に!? 話題のスキー場

ゲレンデ中央に架かるスカイリフトからの全景。リフト左側が中級者向けのスカイコース、右側が初心者向けのロマンスコース。リフトの先にそびえるのが高社山で、その斜面に名物のパイオニアコースがある

 スノーリゾートロマンスの神様がある長野県木島平村は、長野県北部に位置する豪雪地帯です。ブランド米「木島平米」の産地として有名な村ですが、スキーヤーなら、標高1,351mの高社山北斜面に広がる「木島平スキー場」をきっかけに知っていた人も多いはず。

 木島平スキー場の特徴は、圧雪された幅広の緩斜面と、日本一の斜度を誇る非圧雪の急斜面が揃っていること。そんな玄人好みのローカルスキー場が、1990年代J-POPを象徴する歌姫であり “冬の女王”という異名をもつ広瀬香美さんの名曲、『ロマンスの神様』を冠するスキー場へと生まれ変わったわけです。

 この大胆なリニューアルを手掛けているのは、湘南美容クリニックを国内外に幅広く展開しているSBCメディカルホールディングス下のSBC木島平リゾート株式会社です。同社が掲げる「美容×健康×ウィンタースポーツの融合」という世界初のコンセプトに、多くの注目が集まっています。

■名物「パイオニアコース」は最大斜度46度!

パイオニアコースに架かる2人掛けのリフトは、下り乗車も可能。上級者でなくとも、山頂駅の近くに設置された展望台から高度感のある絶景を眺めることができる

 スノーリゾートロマンスの神様を語るうえで外せないのは、なんと言っても46度という日本一の最大斜度をもつ「パイオニアコース」でしょう。ゲレンデ内でこのコースだけは非圧雪で、雪が降った直後には極上のパウダースノーを味うことができます。

 ちなみに筆者が訪れた日は寒波の到来から数日経ったタイミングで、コブが不規則に点在&雪質硬めというなかなかスリリングなコンディションでした。斜面の先が見えない恐ろしさに足がすくみ、「下り乗車しようかな」と弱音を吐きたくもなりましたが……。「勇気と愛が世界を救う♪」と名曲『ロマンスの神様』の冒頭を口ずさみながら、こぶしならぬスキーポールのグリップを握り締めて滑り降りました。

 ハラハラしたけれど「私、日本一の急斜面を滑ったわ!」という高揚感と達成感を味わうことができたパイオニアコース。この貴重な経験のおかげで、次のステップに進めそうです。

コースの最大幅が250mある、緩やかな斜面のスカイコース。まわりのスキーヤーやスノーボーダーに気を付けながら、絶好調にスピードに乗って滑ろう

 もちろん、スノーリゾートロマンスの神様の魅力は名物のパイオニアコースだけではありません。中級者が気持ちよく滑れるバーンや初心者向けのなだらかで広い斜面、ファミリー向けの斜面、針葉樹林に囲まれた林間のコースなど、バリエーションに富むさまざまなコースが用意されています。たとえばファミリーで出かけた際に、お父さんはパイオニアコースを、お母さんと子どもたちはスカイコースを滑る、といった楽しみ方もできますね。