京都といえば、紅葉狩りの名所として有名だ。したがって秋になると、京都の紅葉狩りスポットはどこも観光客でいっぱいになる。

 そこで今回は、観光客が訪れにくい京都の紅葉狩りの穴場スポット、清滝川沿いの「錦雲渓(きんうんけい)」を楽しみながら、「三尾(さんび)」の古刹を目指すことにした。三尾とは、京都の高雄にある高雄山神護寺(たかおさんじんごじ)、栂尾山高山寺(とがのおさんこうざんじ)、槙尾山西明寺(まきのおさんさいみょうじ)のことだ。

■知る人ぞ知る紅葉狩りの穴場「錦雲渓」

錦雲渓から三尾へのルート(国土地理院地図より引用)

 「錦雲渓」は紅葉の名所「清滝川渓谷」の中で、清滝から高雄までの区間を言う。

左に行くと空也の滝、右へ下りると錦雲渓の分岐(撮影:野口宣存)
錦雲渓にかかる橋も風情がある(撮影:野口宣存)

 東海自然歩道の一部でもある錦雲渓は、清滝川渓谷の中でも奥まったところにあり、一般の観光客にはあまり知られていない。また高低差はあまりないのだが、清滝から高雄まで往復すると約10kmの距離がある。よって一般の観光客は錦雲渓を知っていても訪れるにはハードルが高い。錦雲渓はハイカーのみがたどりつくことのできる、紅葉狩りの穴場スポットといえよう。

楽園のような錦雲渓(撮影:野口宣存)
渓谷に紅葉が映える錦雲渓(撮影:野口宣存)

 錦雲渓は清滝川の流れと紅葉のコラボレーションが魅力。紅葉の季節には楽園のように美しい景色が広がる。そして紅葉狩りの名所京都にもかかわらず、混雑や騒音などのストレスを感じることはない。

錦雲渓にある建物跡(撮影:野口宣存)
錦雲渓の沈下橋(撮影:野口宣存)

 ただ、写真に収めたくなるスポットが多すぎて、なかなか前に進めないのが難点だ。そのため錦雲渓を訪れる際は、時間に余裕をもって臨むことをおすすめする。

錦雲渓の水の色と紅葉のコントラストが美しい(撮影:野口宣存)
色とりどりの紅葉が楽しめる錦雲渓(撮影:野口宣存)

 錦雲渓への行き方は、京都バス清滝行きで清滝下車。清滝川沿いの舗装林道を空也(くうや)の滝方面へ約1.5km北に向かって歩く。すると東海自然歩道の看板が現れる。そこが錦雲渓の入口だ。

清滝側の東海自然歩道(錦雲渓)入口
・住所:〒616-8457 京都府京都市右京区嵯峨清滝空也滝町

●【MAP】東海自然歩道(錦雲渓)入口

●京都バス清滝停留所
・住所:〒616-8454 京都府京都市右京区嵯峨清滝深谷町

【URL】https://www.kyotobus.jp/

●【MAP】京都バス清滝停留所