飛弾山脈(ひださんみゃく)、通称「北アルプス」は富山県、岐阜県、長野県、新潟県にまたがる山脈で、奥穂高岳(おくほたかだけ・標高3,190m)を最高峰に3,000m級の山々が連なっている。

 北アルプスの山々は雄大で、高山ならではの迫力ある山容をしており、見事な景色が見られるが、急峻な山が多く、登るには体力だけでなく、経験も要する。

 初心者にとってはなかなかハードルの高い山域ではあるが、実は山頂に行かなくとも絶景を見ることは可能だ。

 今回は初心者でもトライしやすく、北アルプスのダイナミックな景色を満喫するのにぴったりな場所を紹介したい。 

■リフト利用で一気に標高1,830mまで!  雲の上の八方池山荘からスタート!

八方池山荘から八方尾根へ。すでに雲の上を歩く

 紹介するのは北アルプスの北部、後立山連峰(うしろたてやまれんぽう)エリアにある「八方池(はっぽういけ)」だ。

 八方池は、日本三百名山の唐松岳(からまつだけ・標高2,696m)へと延びる尾根、八方尾根にある池で、標高は2,060m。晴天・無風の条件が整った時だけ見られる特別な景色があり、それを見るために2023年の10月中旬、筆者は八方池へと出かけた。

 標高が2,000mを超えているので大変な山行かと想像してしまうが、そんなことはない。八方尾根の麓に広がるスキー場のリフトを利用することで、一気に標高1,830m地点まで行くことができる。

 マイカーを「黒菱平(くろびしだいら)」に駐車し、そこからリフトを2本乗り継ぐと八方池山荘に到着。乗り継ぎの間にも展望デッキから眺望を楽しめる。

リフト降り場から望む白馬岳(しろうまだけ)や白馬鑓ヶ岳(はくばやりがたけ)

 八方池山荘から八方池までは約1時間、往復で約1時間45分のコースだ。八方池山荘からは2本の登山道があり、整備された木道のルートと尾根沿いを歩く眺望のいいコースがある。

 尾根沿いのコースは木道に比べて勾配が急なので、のんびりと歩きたい人は木道コースがおすすめだ。途中にはベンチも設けられているので、休憩を挟みながら目的地の八方池を目指したい。

八方池までは唐松岳山頂を目指し大きな荷物を背負った人や、ハイキングを楽しむ人で賑わう