初夏を迎えたこの頃、朝晩の冷え込みはあるものの、日中は暑いくらいになってきた。そんな春から夏への季節の移ろいを感じながら歩いてきたのは、渓谷や岩場など変化に富んだ景色を楽しめる中山連山(なかやまれんざん・標高478m)である。登山デビューにもオススメの山だ。
中山連山は、関西を代表する大人気の登山コース。山容は南が開いたかまど型になっており、かまどの一番奥には最高峰中山(なかやま・標高478m)、かまどの内側には住宅地が広がっている。
![](https://bravo-m.ismcdn.jp/mwimgs/a/7/660wm/img_a76a5ac061ffb4d4a8599aa5423ea7e11147535.jpg)
今回は端から端まで歩く縦走をした。距離は約13km。通常4時間半くらいの行程をかなりゆっくり歩いて、休憩30分を入れると、およそ5時間半だった。このコースを全部歩くのは体力が必要だが、全部を歩く必要はない。気になる所だけ訪れたり、何回かに分けて登ればよいだけだ。
実は中山連山には、内側の住宅地側に登山口がいくつもある。そのため体力や経験に合わせてルートを組みやすい。また途中で体力の限界を感じたり、体調不良に陥っても登山口が多いため、緊急下山が容易なのである。
なお今回は、阪急宝塚線山本駅を出発し、宝教寺、最明寺滝、宝塚ロックガーデン、中山、中山寺奥之院、夫婦岩、中山寺の順に進み、阪急宝塚線中山観音駅まで歩いた。
中山連山登山口
住所:〒665-0816 兵庫県宝塚市平井1-28-12
●【MAP】中山連山登山口
■阪急山本駅から最明寺滝へ
![](https://bravo-m.ismcdn.jp/mwimgs/5/4/660wm/img_54324959aa471f3c5b62ad6ea128d652353333.jpg)
![](https://bravo-m.ismcdn.jp/mwimgs/7/a/660wm/img_7a3faa55b6e3f93ff4abbd40ebfae31e726927.jpg)
![](https://bravo-m.ismcdn.jp/mwimgs/1/1/660wm/img_115ef822ff0dcde9143a02cb68490ddb597217.jpg)
阪急宝塚線山本駅北口から約1km、徒歩15分くらいで到着するのが宝教寺(ほうきょうじ)。この宝教寺はいわゆる朝鮮寺で、日本の寺と比べると派手な外見をしている。
宝教寺
住所:〒665-0808 兵庫県宝塚市切畑長尾山4−145
●【MAP】宝教寺
宝教寺を過ぎ、最明寺川渓谷沿いを進む。道は舗装してあるものの滑りやすいので注意が必要だ。しばらく進むと「大聖不動尊」と書かれた門が現れ、道が左右に分岐する。右へ進むと最明寺滝(さいみょうじたき)へ至る。
![](https://bravo-m.ismcdn.jp/mwimgs/6/a/660wm/img_6a3cc4c6a3fb845d7eccb9b59935e27a636598.jpg)
![](https://bravo-m.ismcdn.jp/mwimgs/0/d/660wm/img_0df9921645043e5a61834f04f286e27a492804.jpg)
この最明寺滝は、鎌倉時代の執権北条時頼ゆかりの地。出家した北条時頼が最明寺入道と名乗り、修行していた滝なのだ。現在は宝教寺の修行場となっている。滝に近づけば、滝壺から吹く風が意外と強くて驚く。とても涼しくて気持ちのよい場所だ。
■宝塚ロックガーデンから中山山頂へ
![](https://bravo-m.ismcdn.jp/mwimgs/f/9/660wm/img_f9a9921f449972a5ae67ca80d4d199c5481162.jpg)
![](https://bravo-m.ismcdn.jp/mwimgs/8/3/660wm/img_837ca1014816f5b246667fa87bd046ce307455.jpg)
最明寺滝から大聖不動尊の門まで戻り、分岐を左に進むと宝塚ロックガーデンに至る。道標には「満願寺」方面と書かれているが、満願寺に至る途中に宝塚ロックガーデンがあるのだ。今回は立ち寄らなかったが、満願寺は清和源氏ゆかりの寺で、金太郎こと坂田金時(さかたのきんとき)の墓もあるので、元気があれば訪れてみるとよい。
![](https://bravo-m.ismcdn.jp/mwimgs/e/3/660wm/img_e3eac7bef26afd04b2d0087a587a95fe429896.jpg)
満願寺
住所:〒665-0891 兵庫県川西市満願寺町7−1
●【MAP】満願寺
宝塚ロックガーデンは急登の岩場だ。下りはやや危険なので、訪れるなら登りルートがおすすめ。なお、宝塚ロックガーデンからの景色は絶景で、真正面には伊丹空港、その奥には大阪梅田のビル群、右側には六甲連山、甲山(かぶとやま)、大阪湾が見渡せ、左側には満願寺がある山間の住宅地が見下ろせる。ただ日差しをもろに受け、岩からの照り返しもあるのでかなり暑い。
![](https://bravo-m.ismcdn.jp/mwimgs/c/9/660wm/img_c9e3dbff553e6b64e13d05a00c9ccd75355645.jpg)
宝塚ロックガーデンから中山山頂までは、アップダウンを繰り返す稜線の縦走路。木々のトンネルになっているところが多く、比較的涼しい。この辺りは野鳥も多く、鳥の種類まではわからないが、様々な野鳥の鳴き声が聞こえてくる。新緑の季節からか、夏の匂いがし始めていた。
![](https://bravo-m.ismcdn.jp/mwimgs/2/2/660wm/img_22a9b8ff4c708f79cf16c3ea2d64da17608991.jpg)
![](https://bravo-m.ismcdn.jp/mwimgs/0/9/660wm/img_099e263f4d7cc87271fd14ad2d522c9d227785.jpg)
![](https://bravo-m.ismcdn.jp/mwimgs/e/2/660wm/img_e249f66e198e8652d0fe4dd763be285c547627.jpg)
途中、宝塚けやきヒルカントリークラブの横を抜けるのだが、阪急オアシス(スーパーマーケット) まで10分という、登山道には似つかわしくない道標があるのも面白い。このように内側の住宅地へ下りる道も多くあるので、いざとなれば下山できる安心感が中山連山にはある。
宝塚けやきヒルカントリークラブを過ぎると、眺望がよいスポットがいくつか現れるが、長尾山トンネルの真上あたりの展望スポット、長尾山展望台を最後に、中山山頂まで眺望はない。
![](https://bravo-m.ismcdn.jp/mwimgs/6/2/660wm/img_629eae133fd978512bbfc5edbdd928c4592437.jpg)
中山山頂は住宅地がある南側ではなく、北側に眺望が広がる。絶景とまではいかないが、景色は悪くない。