多くのスキー場にとって記録的な少雪傾向が続いていたシーズンでした。しかし、3月に入ってからは状況が一変、まるで真冬に戻ったか、それ以上のような寒気が立て続けにやってきています。積雪量が増えているエリアも多く、各地から雪上滑走を愛するスキーヤー・スノーボーダーたちの歓喜の声が聞こえてくるようです。3月20〜21日にかけては西高東低の冬型の気圧配置となり、長野県北部でも大雪となりました。シーズン最後かもしれない深雪、新雪滑走を狙って、長野県と新潟県の境に位置する「斑尾高原スキー場」へ行ってきました。

■まるでハイシーズンのような景色と雪質!

中級者向け斜面にも極上のパウダースノーが待っていました

 春分の日でもある3月20日は、午後になると気温も下がり、強い風や雷を伴って吹雪となりました。夜にかけて勢いを増した雪は翌朝まで激しく続き、まさに予報通りの豪雪です。

 21日の朝、降雪はいくぶん小康状態となりました。斑尾高原スキー場へ向かう山道もすっかり真冬に戻ったかのようです。平日にもかかわらず駐車場には続々と車が入ってきます。装いからパウダースノー滑走目当てだとわかるスキーヤー・スノーボーダーたちが目立ちました。

 焦らなくても新雪の斜面はいくらでもあります。ゆっくりと準備をしてから足慣らしがてら中級者向けのコースへ。圧雪車で整備された斜面の脇には、まだ滑った跡のついていない、まっさらな雪面が残っていました。

■新雪の森の中、ツリーランコースで浮遊感を味わう

ツリーランコースでは、新雪を纏いながら木々の間を滑ったり飛んだりして楽しめます(skier:Masato Hirase)。頭部を守るヘルメットは、日本のスキー場でも一般化しています。ちなみに筆者はジャケットやパンツの下にプロテクターも装着しています

 降雪後にパウダースノー滑走を楽しめる通常の非圧雪のバーンの他、数多くの“ツリーランコース”を開放しているのが、斑尾高原スキー場の魅力のひとつでもあります。

 管理されているエリアとはいえ、感覚的には山の中を滑っているのと変わりません。先の地形を読みながらスピードをコントロールし、真新しい雪が積もった木々の間を抜ける爽快感はツリーランコースならではのものでしょう。