2024年1月1日午後4時10分。お正月ムードを一変させた能登半島地震──。

 マグニチュード7.6、最大震度7を記録し、2月28日現在、死者は241人、住宅の全壊は8000棟を超えるという甚大な被害を発生させた。

 能登半島での支援活動は、半島というアクセスが限られた地理的条件などから、渋滞など現地に負担をかけないため、石川県災害対策ボランティア本部のサイトから事前登録が必要となっており、順番待ちでなかなか参加できない状況などもあったが、フリーランスの編集ライターである筆者は某シンクタンクにも席を置いており、関連ボランティア団体に随行して比較的早い段階で支援活動に参加することができた。

 この団体は「一般社団法人 世界の子供たちのために(CheFuKo)」といい、これまで福島やウクライナ・チェルノブイリの原子力災害被災者の支援などを長きに渡り続けている。今後の能登支援活動の情報などを得たい方は、公式サイトやインスタグラムをフォローされることをおすすめしたい。

 随行した支援活動は1月31日からの3日間、被災者の支援を行うと共に今後の支援活動のための視察も兼ねたものだった。その間に筆者がアウトドア目線で見た被災地についてレポートしたい。

[一般社団法人世界の子供たちのために(CheFuKo)]
・公式サイト:https://www.chefuko.org/
・インスタグラム:https://www.instagram.com/chefuko/?hl=ja

■避難にも役立つ登山靴と登山用ヘルメット​​

輪島市では全壊した建物がいたる所に点在する

 輪島市は、今回の地震において被害が最も大きかった自治体の一つだ。同市に足を踏み入れた筆者は、その様相に衝撃を受けた。

 点々と続く全壊した住宅。屋根がつぶれ、柱はひしゃげ、瓦や家財が散乱する。5階建てのビルは無惨にも市街地に横たわりなすすべもない。200軒が焼失した輪島朝市の火災現場は、まるで報道で見るウクライナの戦場のようで言葉を失ってしまった。

 犠牲となった方々には、心からのご冥福をお祈りしたい──。

歩道はガタガタになっていた

 瓦礫の街を見て感じたのは「足元の悪さ」だ。歩道のブロックはめくれ、アスファルトにはヒビが入り、割れたガラスが散乱し、転がる建材からは釘が飛び出る。避難の際に足を怪我する危険があちこちにあるのだ。この状況で避難所などへ移動するには「登山靴」が役に立つ、スニーカーでは怖いと強く感じた。

瓦礫をよく見ると釘が飛び出ていたり割れたガラスが散乱していたりする

 それから落下物。今回の地震では屋根瓦の落下が多かったという。避難中に頭を保護するには「登山用のヘルメット」が役立つだろう。

ブルーシートをかけた家々は屋根瓦が落ちている