二十四節気(にじゅうしせっき)では、もうすでに春。寒さはこれから本格的になってくるが、春の訪れも感じることができるようになってきている。

 今回は、もう間もなく見頃を迎える「梅」を楽しめるハイキングルートを紹介したい。

■約4000本の紅梅・白梅!  幕山の麓「幕山公園」

幕山公園内の梅林。早いものだと1月の中旬から咲き始める(撮影:山歩ヨウスケ)

 神奈川県足柄下郡湯河原町にある標高626mの幕山(まくやま)は、約15万年前に形成された溶岩ドーム。箱根火山の外輪山ができた後、大噴火を起こしてカルデラができたのと同時に外輪山の北西から南東での火山活動が活発になった際にできたとされるのが幕山。柱状節理(ちゅうじょうせつり ※)の岩壁が山腹を囲み、それが歌舞伎の「幕」のように見えることから「幕山」と名付けられたそうだ。

※柱状節理とは、冷えていく溶岩やマグマ全体が縮むときに5角形や6角形の柱状の割れ目ができることを言う。

 これからハイキングルートを紹介するわけだが、今回の主役は山頂ではなく、麓で楽しめる景色の紹介だ。幕山の山頂へは幕山公園からアプローチするが、公園内には約4000本もの「梅」が植えられており、見頃を迎える2月からは梅の花が紅白の美を競い、「梅の宴」が様々な催しと共に開催される。

青空に映える紅梅の花。見事なコントラストだった(撮影:山歩ヨウスケ)

 公園内の遊歩道から咲き誇る梅の花を楽しめば、ひと足先に春の訪れを感じることができるだろう。ゆっくりと満喫するために時間には余裕を持っておきたい。

 筆者が訪れたのは1月中旬で、まだ咲き始めであったが、花を見ながら登ると思っていたよりも時間がかかった。

 やがて現れる東屋を過ぎると、本格的な登山道となる。

梅林のエリアを過ぎたところにある東屋。眺望はないが休憩できるベンチがある(撮影:山歩ヨウスケ)

 東屋から山頂まではつづら折りの登山道で、ひたすらに登りが続く。しっかりと踏み固められた登山道は歩きやすい。単調な登りであるが、冬枯れした季節は樹々の間からの眺望があるので景色を楽しめる。低山登山は冬こそおすすめしたいと感じるポイントだ。

幕山の山頂へ向かう登山道。しっかりと踏み固められており歩きやすい(撮影:山歩ヨウスケ)

 まっすぐ目指せば1時間もあれば山頂へ到着できるが、ゆっくりと梅の花見をしたため山頂までは1時間30分。山頂には、眺望を楽しみながら休憩できるスペースもある。

湯河原の街と真鶴半島を望む山頂からの眺め(撮影:山歩ヨウスケ)

■2月から開催される「梅の宴」に合わせて出かけるのもおすすめ

満開を迎える時期には一面に赤・白の梅の花が咲く(撮影:山歩ヨウスケ)

 2024年2月3日(土)から3月10日(日)の期間で湯河原梅林「梅の宴」が開催される。期間中は梅の花を楽しめるだけでなく、地場産品を楽しむ事もできるブースも出店されるので、ハイキングと合わせて楽しむのはどうだろうか。

●【MAP】幕山公園